Webに更新手段が必要な理由
Neuberg氏(そして多くの開発者)にとって、Webの機能を拡大するという考えは非常に興味深いものだ。だがGoogle社内でも社外でも彼は、テクノロジのある特定の部分だけが危機に瀕しているのではない、と主張している。実際、Neuberg氏は、Gearsや一部の競合プロジェクトの担う役割が彼の思い描くとおりのものであるかどうかに特別な関心を寄せているようには見えない。重要なのは、Webの諸問題に対するソリューションの探索がWebの継続的な進化のみならず、Webの自由の維持にとっても欠かせないことだ、と彼は語る。
「ここ2年間、将来性のあるアプリケーションプラットフォームとしてのWebのブーム再来を目にしてきた。HTMLはAjaxとしてよみがえり、すでに我々はその威力を目の当たりにしている。Webに対する期待がふくらみ、問題が深くなるとともに、Webに携わる人が増えている。そのため、Webの問題をすべて解決する必要がある。昨年Adobe AIRやSilverlightなど選択の余地が拡がったことで、Open Webの考え方をどのように持ち込むかという議論が生まれつつある。もっと深いレベルにおいてもそうだ。何が次のステップとなるのか、そこからどこへ向かうのか。それはまるで、走っている列車に乗りながらその改良や修理をしようとするような状況だ」
Neuberg氏とGearsチームによれば、現状ではWebの進化が遅すぎてこうした期待や要望の高まりに応えられないことが問題だという。
「今、何か新しいものをWebのインフラストラクチャに取り入れようとすると5年ないし10年かかる。Webはマルチメディアでさえ十分に扱えない。この2008年になっても、ブラウザはオーディオ・ビジュアルの機能をきちんとサポートしていない。それはプラグインなしの状態で、という意味だが。そうしたコンテンツはブラウザ本体だけで扱えるべきなのに、そうするだけでもかなりの時間がかかる。それを試みたのがSVG(Scalable Vector Graphics)だったが、SVGが登場したのはもうずっと前、確か1998年ではなかっただろうか。我々が必要としているのは、より優れた更新ツールだ」
