gNewSenseにこだわる理由
広く使われているいくつかのハードウェアを使うことができないというようなUbuntuよりも劣るUbuntuクローンをインストールする理由とは一体何なのだろうか。正直に言ってしまえば大多数のユーザは、gNewSenseを試してみることはあったとしても日常的に使い続けたいとは思わないだろう。しかし開発者にとってはいくつかの利点がある。フリーソフトウェアの主義主張上の利点は考えないとしても(もちろんそれらは説得力のある理由となり得るのだが)、gNewSenseはハードウェアシステムの開発者がフリーソフトウェアとの互換性を試す目的で利用するのに理想的なディストリビューションだと言えるだろう。というのも、ハードウェアベンダにとって特別なカーネルモジュールやプロプライエタリなドライバをインストールせずに自社ハードウェア上でLinuxのサポートを提供できるということにはかなりの利点があるのだが、gNewSenseはその検証用として使用するのに最適なディストリビューションだからだ。
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また、gNewSenseはgNewSense以前には実現することの難しかった理想を実現したものであり、簡単さや利便性を犠牲にしても常にフリーソフトウェアの基準への準拠が優先されるため、フリーなオペレーティングシステムの真の姿を浮き彫りにするという意味で、他のソフトウェア/ディストリビューションメンテナにとっての「モデル例」としての役割も果たすことができる。またgNewSenseの存在はFSFにとっても利点となり得る。一つには、FSFが全面的に推奨し、スポンサーになり、お墨付きを与えることのできるディストリビューションが一つ存在するというのは意味のあることだからだ。
とは言え、gNewSenseの利点についてもっとも説得力のあるものはやや逆説的で、gNewSenseに弱点があることが前提となっている。つまりフリーソフトウェアだけを使用していて見つかった問題点やバグはどれも、フリーソフトウェア開発者たちが取り組むべき分野を明らかにしてくれるものだということだ。この、問題を抱えるパッケージの発見と実用的なフリーソフトウェアソリューションの作成という作業は、Shuttleworth氏の考え方の中心にもなっている。ハードウェアのソフトウェアサポート上の問題点を発見することと、ハードウェアベンダによる修正の促進と優れたフリーのファームウェア/ドライバの開発とを通してそのような問題点を解決することによって、gNewSenseの開発者たちはコミュニティ全体に恩恵をもたらしている。
gNewSenseは使いやすくはないかもしれないが、Linuxが発展するための鍵となる可能性もある。
Kurt Edelbrockは技術記者/ブロガー/大学生。オープンソース関連の様々な出版物に執筆しつつ、大規模な公立大学の技術コンサルタントも務めている。
