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Vancouver Joomla!Dayを事例としたコミュニティ形成活動のケーススタディ

2008年06月18日 11:43 1 2 3
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 多くのフリーソフトウェア系プロジェクトがその規模を拡大していく過程で遭遇する問題の1つは、“自分達のコミュニティ”という意識をいかにしてメンバー間で形成させるかであろう。こうしたコミュニティ形成活動を成功に導いた事例の1つとして挙げることができるのがJoomla!というコンテンツ管理システムであり、実際ここ数年で同プロジェクトを取り巻くコミュニティは、世界各地にてJoomla!Dayというイベントを開催するまでに成長しているのである。本稿では先週末に開かれたVancouver Joomla!Dayの運営手法を参考にして、ソーシャルネットワーキングを活用したイベントの展開法および、近代的なコミュニティ形成の手法を考察してみよう。

 実のところJoomla!Dayというイベントについては、これが最初にいつ組織されたかを正しく覚えている人間は皆無のようであり、Joomla!コアチームに属すBrad Baker氏は2006年のオランダあたりだろうと語っている。そうした訳で、このイベントの提唱者すらもはっきりしていないのだが、それと対照的に明確化しているのは今日における同イベントの人気の高さだ。例えば2008年半ばの現段階において既に、南アフリカ、オーストラリア、タイ、フィリピン、カナダなどにて7つのJoomla!Dayが開催されており、残り半年の間にも更なるイベントの開催が予定されているのである。

 いずれのJoomla!Dayも地元ボランティアが組織したものであり、参加者数的には100ないし200名程度の規模であるが、Joomla!および同コンファレンスの人気の高まりに比例する形で、最近のイベントでは参加者数が最大400名に達したケースもいくつかあったと報告されている。こうしたイベントがJoomla!の商標を使用するには同プロジェクトからの許諾が必要だが、Baker氏によると、イベント閉幕後に経費の一覧を提出すれば最大1,000ドルの支援金をプロジェクト側から提供する場合もあるとのことだ。またイベントによっては教育関連の機関がスポンサーに付くケースもあり、あるいは同時開催されるより大規模な他のコンファレンスからの金銭的な支援を得られる場合もあるとされている。

 とは言うものの、基本的に開催経費の大半を賄っているのは入場チケットの売り上げである。本稿で取り上げるVancouver Joomla!Dayもそうした典型例の1つで、今回は1人あたり25ドルの料金を支払った約110名の参加者が入場している。オーガナイザを務めたWendy Robinson氏によると、イベント開催の総経費は4,000ドル前後とのことだ。なお同氏はJoomla!フォーラムのメンバ兼、同プロジェクトの法務を担当するOpenSourceMattersの評議員でもある。

 同プロジェクトのコアチームはこうしたJoomla!Dayを支援する目的で、地理的に近い地区に所在する何名かのメンバを可能な限り参加させるようにしているとのことだ。特にバンクーバのイベントには同プロジェクトの主要メンバが多数参加しており、その内訳はコアチームから4名、OpenSourceMattersの評議員2名という構成になっている。Baker氏によると、ここまでの豪華メンバがそろうケースは例外だとしても、プロジェクトに積極的な参加をしている人員を常に何人か派遣して、コンファレンスにて何らかの講演をするようコアチームは努めているとのことだ。

 これはコアチーム側にとって結構な負担となっているようであって、例えばバンクーバのイベントに派遣された何名かは、本年前半だけで既に4件以上のJoomla!Dayに参加しており、また先週ドイツで開かれたCore Team Summitへの参加時には深刻な時差に悩まされた者が散見されたようである。

 こうした組織的な支援態勢が設けられている一方で、同プロジェクトに積極的な参加をしているメンバーの傾向として、この種のイベントには自発的な協力をしようとする姿勢が見受けられる。つまりこうした規模の小さいイベントは、大規模なコンファレンスや展示会のようなフォーマルな催しとは異なり参加時のストレスも小さいため、むしろイベント開催地に参集したプレゼンターどうしが人的ネットワークを形成する場として利用しやすいというのだ。

 「Joomla!チームのメンバーとは2年も前から知己を得てはいましたが、今回ようやく顔を合わすことができたのは大きな感激でしたね」とバンクーバのイベントが半ばを過ぎた当たりでRobinson氏は語っていた。「もう1つ驚いたのは、皆さん事前に聞かされていたとおりの方ばかりで、ある意味それも素晴らしいことです。こうして実際に対面した経験があると、オンラインでの付き合いもしやすくなるというものですよ」

Bruce-Byfield(2008年6月16日(月))
2008年08月18日 17:07 更新