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Vancouver Joomla!Dayを事例としたコミュニティ形成活動のケーススタディ

2008年06月18日 11:43 Bruce-Byfield(2008年6月16日(月)) 1 2 3

人的ネットワークの形成を目的としたスケジュールの再編

 講演者にしろトピックにしろ、書面上の記載事項だけではVancouver Joomla!Dayと他のコンファレンスとの間に大きな相違点は見いだしにくいであろう。Joomla!Dayの最大の特徴は、そこで行われるプレゼンテーションが単なる情報提示を目的としていないという点であり、そうした催し物は人的なネットワーク形成の下地にされていたのである。

 「多くのオープンソース系プロジェクトにおいて、その参加メンバーが何かの機会に集まって意見の交換や人的な交流を行うのは不可欠な要素です」と語るのは、Joomla!のコンサルタントでバンクーバのイベントのオーガナイザの1人でもあるRastin Mehr氏だ。「イベントの参加者どうしは社交上の儀礼からも食事やお茶を同席したりするものですし、あるいは席を並べて同じプレゼンテーションを聴くことになるかもしれません。私どもの目的である共通のコミュニティに属すメンバーとしての意識は、そうした儀礼を経ることで育成されるものです」

 実のところVancouver Joomla!Dayの構成はこうした理念に基づいた再編成を経ているのだと、RobinsonおよびMehrの両氏は説明している。当初オーガナイザ側は伝統的なコンファレンスの在り方に従って、かなり厳密なスケジュールを組んでいたのだそうだ。ところがその後Joomla!コミュニティ側からの要望があったため、大幅な改訂を施し、個々のプレゼンテーション枠を切りつめて、これらの最後にディスカッション用の時間を割り当てたのである。

 その他にも当日のスケジュールのうち6つの時間枠は、当日参加した聴衆が各自のJoomla!プロジェクトおよび関連問題について語るためにリザーブされており、これは聴衆参加型のイベントという基本方針に従うだけでなく、Joomla!で可能な各種の運用法を互いに紹介し合う場を提供することを目指したものだ。例えば今回バンクーバで誕生した即席プレゼンターの1人は、Joomla!を用いた多言語対応型Webサイトの管理法を紹介し、また障害年金関係でJoomla!を比較的最近使い始めたばかりという人物は、タイプII糖尿病についての情報提供サイトを構築したという事例を報告していた。

 イベント当日のサポート的な催しとしては、今や恒例と化したJoomla!関連グッズやサービスの福引き大会を始め、1時間限定の立食ビュッフェおよび、最後に開催されたネットワーキングセッションなどが開催されていた。

 先に触れた改訂後のスケジュールにおける特色の1つは、プログラマー以外の参加者を取り込むための特殊なセッションをオーガナイザ側が各種設けておいたことだろう。例えば今回は、ページテンプレートやパフォーマンステストに関するプレゼンテーションだけでなく、ミュージシャンによるJoomla!の使用例および同プロジェクトへの参加法の紹介が行われているのである。「私の目標は、初心者ユーザー、テンプレートデザイナ、ソフトウェア開発者といった、あらゆるタイプの聴衆それぞれに有用な情報を提供したいということでした」と語るのはRobinson氏だ。「要は、聴衆1人1人にとって何か得られるものがあり、わざわざ参加した価値があったと感じてもらえればいいと思っています」

 「特に重要なのは、準備段階からあまりに個別的な要件のみに特化したイベントにしないことです」と語るのは、ローカルなネットワーキング系イベントのオーガナイザを何度も務めた経験を有すMehr氏である。「そもそも私の好みとしては、雑多な組み合わせというスタイルの方が性に合っています。開発者でない参加者にとって重要なのは何らかの基礎的なスキルを得ることでしょうし、開発者にとって重要なのはマーケティングやコミュニケーション関連の理解を深めることでしょう。物事を1つの側面でしか捉えていない人間は、ソフトウェア開発にせよマーケティング活動にせよ、たいていろくな成果を残せないものですよ」

最終更新:2008年08月18日 17:07