コンファレンスの在り方とソーシャルネットワーキングの利用法
Vancouver Joomla!Dayにおけるその他の特色の1つは、それだけで自己完結したイベントとするのではなく、Joomla!に対する関心を地元のハイテク系コミュニティにて呼び起こすことを目的とした一連のオンライン上での交流活動を組み合わせていたことである。
Mehr氏は同イベントの開催告知をTwitterおよびブログを活用して広めると同時に、そうした場で付けるタグを共通化することでオンラインでの露出度を高めるよう、参加者に協力を呼びかけていた。そしてイベントの開催日にはMehr氏と最低もう1人のメンバが担当者となり、現在行われている内容をブログとTwitter上でライブレポートするようにしたのだ。またその後Mehr氏は、コンファレンス参加者それぞれの体験談を各自のブログにてレポートすることおよび、ローカルのネットワーキングフォーラムにて議題に取り上げることを奨励していた。つまり同氏の意識としては、「本イベントに対する話題を開催前後の期間を通じて盛り上げることは、イベントそのものよりも意味があるはずです」という構想が存在したのである。
Mehr氏が説明するところによると、こうした試みの背景には、地元レベルでのJoomla!の知名度を高めることおよび、バンクーバ周辺で行われている各種のJoomla!関連活動を活性化することが意図されていたのだそうだ。また一方でRobinson氏としては、現在話題のソーシャルネットワーキングを有効活用する形でJoomla!のユーザグループが形成されることを目論んでいるそうだが、実際に同コンファレンスの終了時には、Joomla!に関連したその他のセッションを話題にしていた参加者が何人かいたとのことである。
こうしたソーシャルネットワーキングの活用法はあらゆるフリーソフトウェアプロジェクトにとって有効な手法ではあるだろうが、特にJoomla!の場合については、このタイプの活動が適している独自の理由が存在しているのである。例えばJoomla!Day以外のイベントとして同プロジェクトは本年Joomla! Doc Campを開催しているだけでなく、来週には第2回Pizzas, Bugs and Funが予定されているのだ。特に後者は、Joomla!コミュニティのメンバが各自の所属地域別ないしオンライン上に集合して、バグフィックス、各種試験、ドキュメント整備という活動に従事してもらおうというイベントなのである。つまりJoomla!Dayと同様、こうしたイベントについては各ローカルコミュニティ内部での連帯心を高めると同時に、世界各地で活動するJoomla!ユーザ間の連携を図るという効果を期待できるのだ。
これはソーシャルネットワーキングというツールをコミュニティ形成という具体的な用途に活用することを試みた画期的な発想なのであり、あるいはソーシャルネットワーキングの最も有益な使用法を実証した初の事例としてもいいのではなかろうか。いずれにせよここで評価すべきは、共通の目的を有す雑多な人々が協力して活動するための機会を用意してみせたというただ1点に尽きることになるだろう。
コミュニティ形成を目的とした独自のコンファレンスを開催しようとする人々へのアドバイスとしてMehr氏は「これからイベントを組織しようとするのであれば、参加者間のネットワーク形成を促進する場を設けることです」と語っている。「活動のプロセス中に参加者を積極的に取り込むようにし、こうした人々をプレーヤの1人とするようにしなければなりません。講演者やプレゼンタのみをメインに据えたイベントは過去の遺物なのであり、そうした構成に陥らないよう心がける必要もあります」
Bruce Byfieldは、コンピュータジャーナリストとして活躍しており、Linux.comに定期的に寄稿している。
