難点
一方で、Elyssaのすべてが手放しの成功というわけではない。例を挙げれば、デスクトップにmintMenuが追加されているのは親切なのだが、mintMenuはあらゆるユーザに向いているわけではない。mintMenuはシステム設定のほとんどを一ヶ所に集めたものなので、開いたときにデスクトップ上のかなりの場所を占有してしまう。解像度の低い画面では、おそらく画面のほとんどが埋まってしまうだろう。ありがたいことにGNOMEのMain MenuとMenu Barアプレットもまだ残されているので、解像度の低い画面を使用している場合や従来の方法でプログラムを起動したい場合には、パネルに追加することができる。
もう一点Elyssaで遭遇した問題点は、今回使用した2枚のGeForce 8600GTビデオカード用のプロプライエタリなドライバのセットアップについてだ。Elyssaでは、プロプライエタリなATIドライバやNvidiaドライバの設定にEnvyを使うのだが、Envyはカードを検出したものの、適切に設定することはできなかった。再起動した際に、解像度の低いグラフィックスモードに設定されてしまって、ハードウェア構成を認識できないという内容のメッセージが表示された。画面の設定を調整してみたが、結局モニタを1280×1024の解像度にすることはできなかった。この問題を解決するためには、コマンドラインを使ってXorgの設定ファイルを再構築して、不必要な「BusID」の2行を削除する必要があった。対照的にUbuntu自体では、同じSLIチェーンの扱いにまったく問題はなかった。とは言っても、SLIチェーンの使用はLinuxの世界ではWindowsでのようには一般的でないため、このことが特に大きな問題のようには感じない。
UbuntuのAdd/Remove Programsに対するMintの回答とも言うべきmintInstallには、まだ少し改善の余地があるかもしれない。実装されている機能はアイデアとしては素晴らしいのだが、インタフェースがあまり優れてはいない。例えば、GetDeb(リポジトリに通常含まれていないDEBパッケージを提供しているサイト)、Ubuntuリポジトリ、Mint独自のソフトウェアチャンネルからパッケージを検索することができるのだが、検索結果がFirefoxのウィンドウ(GetDebの場合)かテキスト文書(DEBパッケージかMintパッケージを検索した場合)として表示されるので、検索結果内から簡単にインストールすることができなかった。
またMintではWorkspace Switcherがデフォルトでは追加されていないにも関わらず、ウィンドウを他のワークスペースに移動可能なのだが、このことに混乱するユーザもいるかもしれない。またゴミ箱がパネルやデスクトップなどすぐに使える場所ではなく、メニューの中にあった。64ビット版がないということも、最近では4GB以上のRAMを搭載したPCも多く売られるようになってきているので気掛かりだ。
まとめると、Mintの最新版にはベースとしているUbuntuを越えんばかりの新機能が豊富に含まれていたものの、いくつかの問題点があるために実際に越えているとは言い切れない。とは言え、そのような新機能が含まれているため一見の価値はある。Mintは、完璧なディストリビューションとなるまでにいくつかの越えるべきハードルを持った素晴らしいディストリビューションだと言えるだろう。
Jeremy LaCroixは余暇に記事を執筆するIT技術者。
