今回私が使用したのは4.3GBのDVD版だが、ライブCD版からの利用も可能である。どちらを利用するにせよ一番最初に目に付くのは、新規に用意されたインストーラであろう。インタラクティブ形式の操作画面は、大きめのウィンドウの右側に進捗リストが一覧されるという旧バージョンと大差ないレイアウトになっているが、カラースキームとグラフィックスはよりスタイリッシュなものへと刷新されている。しかもこうした変更は表面的なものだけに止まってはおらず、今回のリリースでは内部的にも多数の変更が施されているのである。
今回openSUSEの開発陣が施した改善点については、ユーザが行うべき作業に要す時間と手間の削減に関係したものが多数を占めている。例えば今回のリリースでは、GNOMEデスクトップなど各種の一般的なパッケージ群が1つのインストールイメージにまとめられており、そうした中から特定セットのパッケージをインストールする“Installation from Images”というオプションが用意されているのである。つまり従来存在した、システムインストール時において必要とするパッケージをユーザが整理して依存性関連の問題を解決するという手間は、このオプションの登場により大幅に削減できるようになったのだ。この機能はユーザが不要と判断すれば無効化することも可能だが、インストール時間を節約したければ素直に利用しておくべきだろう。
ここでのインストールプロセスでは最初に“Use Automatic Configuration”を使用するかどうかを選択するようになっている。通常のディストリビューションの場合、この種のオプションの無効化はハードウェアの自動検出機能をオフにすることを意味するものであり、その後ユーザは手間のかかる手動設定に挑まなければならないはずだ。私の場合はそうした労苦は願い下げにしたいため素直にこの機能を有効化したが、結局のところこのオプションはハードウェアの確認画面をバイパスさせるだけであって、そうした確認画面でユーザが通常行うのは、自動検出の結果を受け入れるかあるいは各自のハードウェアに対するカスタム設定を施すかの選択をするだけのもののはずである。通常は自動検出の結果をそのまま受け入れるというユーザは、本機能による作業時間の節約という恩恵にあずかるべきだろう。
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| openSUSE 11.0のデスクトップ |
Automatic Configurationオプションを使用したとしてもインストレーションサマリーの画面までバイパスされる訳ではなく、パーティショニングを含めた各種のオプションは依然としてユーザによる変更が行えるようになっている。例えばパーティション設定の場合、openSUSEからはユーザに対して最適と思われるパーティショニングレイアウトが提示されるが、そうした設定についても各自のニーズに応じた変更を施すことができ、ユーザは必要に応じて新規のパーティションを作成することも既存のパーティションを選択することも可能なのだ。その他にはLVMやRAIDといった上級オプションを使用することもできる。
DVD版からのインストール時には、使用可能なデスクトップ環境として、GNOME、KDE 4、KDE 3、Xfceなどの選択肢がアルファベット順に提示されるようになっている。その他のインストール可能なデスクトップ環境としては、Enlightenment、IceWM、FVWM、Window Makerも含まれているが、こうしたマイナーなデスクトップ環境についてはopenSUSEのルック&フィールへの対応は施されていない。これらはアップストリームの開発チームからリリースされたものがそのまま同梱されているだけのようだ。
デスクトップ環境についてのデフォルトオプションは指定されておらず、ユーザ各自が選択しなくてはならない。またその他のデスクトップ環境やソフトウェアを追加しておきたければ、インストレーションサマリーの画面にてSoftwareという見出しをクリックし、必要なものを指定すればいい。
パッケージ選択の画面について旧バージョンから大きく変更されているのは、機能的な改善ではなく外見的なブラッシュアップである。そのためパッケージの検索と選択については従来どおり、グループ、パッケージパターン、個別指定による操作ができるようになっている。
インストールステップを簡素化する一環としてその他にopenSUSE開発陣が採用したのが、最初のユーザとrootユーザは同じパスワードを共有させるという仕様である。この仕様の背景には、実際の使われ方として最初のユーザとrootユーザとで同じパスワードが使われているケースが多いという認識があるそうだが、そうした方式にセキュリティ的な不安を感じるであろうユーザにも配慮して、rootパスワードの変更は後から簡単に実行できるようにされている。
openSUSEは以前より、Linux的な基準において非常に完成度の高いインストーラを装備していたのだが、今回のバージョン11.0ではより一層の洗練化がこのインストーラに施されている。そうした改善点のいくつかは既に触れたが、それ以外にも細かな修正が全体的に施された結果として、従来バージョンに対して更なる操作性の向上とスリム化とが達成されているのである。
openSUSEにはデスクトップ環境に関する非常に多数のオプションが用意されており、その多彩さはあたかも複数のディストリビューションが収録されているかのような錯覚に陥るくらいだ。次にこうしたデスクトップ環境のうち、主立ったものを個別的に見ていくことにしよう。
