レスキュー用アプリケーションの追加
不要なアプリケーション群をライブCDからすべて削除し終わったら、次にレスキュー/リカバリ用のアプリケーションの追加を行う。通常この種のレスキューCDに必要となるのは各種のディスクユーティリティとセキュリティツールだが、それ以外にもサポート情報の取得や他のマシンへのアクセスをするためのネットワーキング系ツール群も用意しておきたいところである。ただし前述したアプリケーションはすべて必須という訳ではなく、逆にこれら以外で必要と思われるツールが他に存在すれば各自の判断で追加しておけばいいはずだ。ここで作成するのは個人用途のブータブルCDなのであり、そのための設定要件は個々のユーザごとに異なるものだからである。各自のCDに収録しておくべきツールの目安としては、記事末尾のコラムにまとめておいた完成形態で提供されているLinux用レスキューCDの構成などが参考になるだろう。
リポジトリからのパッケージインストールはapt-getを介して行えるが、その際には各自の/etc/apt/sources.listにmultiverseリポジトリを追加しておく必要があるはずだ。
deb http://us.archive.ubuntu.com/ubuntu/ hardy main multiverse deb-src http://us.archive.ubuntu.com/ubuntu/ hardy main multiverse
上級者用のブータブルディスクにとって、ディスクパーティション用ツールの収録は必須な要件の1つである。UbuntuライブCDの場合はGNOMEのパーティションエディタであるGPartedが付属しているので、独自のパッケージ追加は不要なはずだ。ただしグラフィカル環境を用いない構成とした場合は、GPartedの代わりに、コマンドラインからパーティションテーブルを管理するpartedをインストールしておけばいいだろう。またtestdiskなどのプログラムをインストールしておくと、何らかの理由でパーティションを削除してしまった際の回復作業が行えるので便利だ。特にtestdiskは簡易的なディスクツールとしても利用可能となっている。その他にもext2ファイルシステムにて意図せず削除してしまったファイルの復元についてはe2undelパッケージが役立つはずだ。不安定化したディスクからパーティション全体をコピーしたりバックアップを作成しておきたいという場合は、partimageを使うのが一番お手軽である。このユーティリティには、以前に作成しておいたバックアップからパーティションを復元する機能も装備されている。
Windowsマシンでの使用も想定したレスキューディスクの場合は、ウィルスおよびルートキットの対策ツールもインストールしておきたいところだろう。そうしたケースにて簡単かつ速やかに実行可能なウィルススキャンを入手するにはClamscanを利用すればよく、このツールキットにはコマンドラインベースのアップデートツールも付属している。同じくChkrootkitは、システム中に潜むルートキットを検索して削除してくれるスキャナである。またsleuthkitを使うと、ファイルシステムの診断および隠しファイル群のブラウジングを行うことができる。
こうした必要なパッケージ群の追加が終了したら、中間作業用のデータをクリーンアップして、作業環境をアンマウントする。
rm -rf /tmp/* rm /etc/resolv.conf umount /proc umount /sys exit sudo umount edit/dev
次に、manifest(インストールパッケージの一覧に相当)を再生成して、必要なディレクトリ中にコピーしておく。
chmod +w extract-cd/casper/filesystem.manifest
sudo chroot edit dpkg-query -W --showformat='${Package} ${Version}\n' > extract-cd/casper/filesystem.manifest
sudo cp extract-cd/casper/filesystem.manifest extract-cd/casper/filesystem.manifest-desktop
sudo sed -i '/ubiquity/d' extract-cd/casper/filesystem.manifest-desktop
次に、ディスク1枚に収まるようファイルシステム全体を圧縮する。
sudo rm extract-cd/casper/filesystem.squashfs sudo mksquashfs edit extract-cd/casper/filesystem.squashfs -nolzma
最後にISOファイルの作成を行う。
cd extract-cd sudo mkisofs -r -V "$IMAGE_NAME" -cache-inodes -J -l -b isolinux/isolinux.bin -c isolinux/boot.cat -no-emul-boot -boot-load-size 4 -boot-info-table -o ../ubuntu-8.04-desktop-i386.iso
こうして完成したイメージファイルはディスク上に焼き込んでおく必要がある。そのための作業はK3bやBraseroを使えば簡単に済ませられるが、下記のようにコマンドラインから実行させることもできる。
cdrecord dev=/dev/cdrom ubuntu-8.04-desktop-i386.iso
最終的なチェックとして、焼き込みの完了したCDから各自のマシンをブートさせ、セットアップした環境が正しく使用できるかを確認しておく。
以上、各自のニーズに則した究極のレスキューCD作成についてかなり詳しい情報を提供できたことと思う。こうして用意しておいたパッケージとツール群が、スタートアップ時に不調を訴え出したコンピュータのトラブルシューティングに役立てば幸いである。
| 完成形態で提供されているLinux用レスキューCD |
|---|
レスキュー用ユーティリティ群を収録したブータブルCDを入手するには、必ずしも自力でカスタマイズしなくてはならない訳ではない。完成形態で提供されているLinux用レスキューCDも何種類か存在しているのだ。
|
Kurt Edelbrockは大学生であると同時に、テクノロジ関係のジャーナリストおよびブロガーとしても活動中で、オープンソースに関係する様々な記事を執筆しつつ、公立大学のコンサルタントも努めている。
