今後の成功を測る尺度
GPLv3がリリースされてから一年が経ったが、成功度を確定的に判断するのはまだ不可能だ。GPLv2がリリースされた1991年以来、フリーソフトウェアコミュニティとその周りの様々な状況が劇的に変化しため、GPLv2の成功度と比較することは単純にはできないだろう。
さらに、ライセンスが現在も未完成であるということもある。第3版での変更点の一つに、例外の取り扱いに関する変更(基本のGPLライセンスに細かい変更を加えるための特殊条項)がある。FSFのライセンス準拠エンジニアBrett Smith氏は現在もコミュニティと協力して、第3版の例外をより新しく改良されたものにする作業に取り組んでいる。Smith氏によると「GPLv3がリリースされた金曜日のすぐ次の月曜日から例外についての作業に取り組んでいる」とのことだ。一年経った今もSmith氏は大半の時間をこの作業に費やしているとのことだが、例外の有効性はライセンス自体の有効性を左右する大きな要因になるだろう。
第3版が、Brown氏の表現を借りれば「フリーソフトウェアが将来的にもフリーソフトウェアであり続ける」ためにどれほどの働きをするのかが明らかになるまでには、まだ数年かかるだろう。Brown氏は、最大の試金石はAGPLがフリーなネットワークアプライアンスの作成と保護にどれだけ役立つことができるかどうかになるだろうと予測している。さらに、新たに見つかった抜け穴に対処するための第4版がいずれ必要になる可能性もないわけではないとした。
今のところ成功したと言える根拠となりうる点はただ一つで、各種GPL第3版がコンスタントに採用され続けていて減少傾向にはないということだ。第3版の策定プロセスが始まった2006年当初には多くの人が予期したかもしれない、GPLv2に完全に置き換わるということは起こっていないかもしれないが、それでもBlack Duckの統計情報によれば、GPLv2とは別に数えても一年のうちにGPLv3は7番目に多く採用されているフリーなライセンスとなっている。
Brown氏は次のように指摘した。「GPLv3はおそらく昨年新たに採用されたライセンスの内もっとも多く採用されたライセンスだろう。これまでのところは目標を達成しているように思われる」。この普及率は他のライセンスであれば大成功だと言われたことだろう。GPLv3の成功度が不十分だと感じることがあるとすれば、それはただただ、あまりに普及したGPLv2と比較した場合にのみだ。
とは言っても、GPLv3の最終的な成功度や、GPLv2を駆逐するのか共存するのかについては、今なお一年前とほぼ同じくらい定かではない。
Bruce Byfieldは、Linux.comに定期的に寄稿するコンピュータジャーナリスト。
