今回のテストでは、PDFファイルのグラフィックのほうもインポートの成否はテキストの場合と似たようなものだった。グラフィックの多くは何の問題もなくDrawにインポートでき、グラフィック内のテキストも元の文書と同じスタイルで取り込めた。ただし、一部のPNG画像(すべてではない)が上下逆になったり、グラフィックが編集不可能なオブジェクトになったりするケースがあった。また、レイアウトが複雑な場合にはグラフィックの位置が10ピクセルほどずれることもあった。
このベータ版のSPIでは、PDFフォームを扱うことができない。また、テキストの配置が常に保存されるとは限らず、完全に両端揃えになっていたテキストが左寄せの形で表示される傾向が強い。オンライン文書の多くには欠かせないハイパーリンクもサポートされていない。
とはいえ、ほかの部分に目を向ければ、SPIで処理できることは問題点の数よりもはるかに多い。テキストフレームやセクション、複数レベルの箇条書き、それに境界や背景色を含む表の書式設定は、すべて問題なくインポートされ、今後に期待が持てるエクステンションといえる。
一方、フォントとグラフィックの表示に関する問題は、OpenOffice.org 3.0と同様、SPIがまだプロダクション環境では使えないことを意味している。
ベータ版の段階とはいえSPIは、グラフィックではなくテキストだけをPDFファイルから抽出するAbiwordや、行の分割以外の書式がほとんど保存されないKWordよりも優れている。
しかし現状のSPIでは、インポートが1ページに制限される点とハイパーリンクを保存できない点くらいしか主な制約がないInkscapeにはかなわない。また、信頼性の面では、上級ユーザ指向ではあるがGNU/Linuxデスクトップ環境向けの手堅いPDFエディタであるPDFeditに遅れをとっている。ただし、今後数か月で多くの開発項目がSPIに追加される可能性がある。このまま最初の頃のように開発が続けば、最終版はOpenOffice.orgにとって必須のエクステンションと呼べるものになるだろう。
Bruce Byfieldは、Linux.comに定期的に寄稿しているコンピュータ分野のジャーナリスト。
