おそらくPTSの最もすばらしい点は、PTS Globalというオンラインサービスが存在することだろう。これは、世界中のPTSユーザによって実行されたテスト結果のリポジトリである。自分のテストが終わるたびにその結果をPTS Globalにアップロードする機能も用意されている。PTS Globalでは、アップロードされた日時順にテスト結果が表示される。また、簡単な検索インタフェースを使って、特定のマザーボード、プロセッサ、グラフィックチップセットで実行されたテスト結果や、マシンで実行しているディストリビューションやカーネル、コンパイラを指定して条件に合う結果を探し出すこともできる。
しかし、PTS Globalは単にテスト結果を集めただけのものではない。PTSを使って自分のマシンでテストを実行し、その結果をPTS GlobalのWebサイトにある特定のベンチマークと比較できるのだ。つまり、Fedoraが動作している自分のマシンと、同等スペックの(プロセッサやメモリ容量、マザーボード、チップセットが同じ)Ubuntuマシンの間でLinuxカーネルコンパイル時のパフォーマンスを比較したければ、PTS Globalの検索インタフェースを使ってそうしたマシンのテスト結果を見つけ、そのグローバル識別子を使って同じテストを自分のマシンで実行すれば比較可能なデータが得られる。たとえば「root-9170-30463-10839」というグローバル識別子を持つマシンのテスト結果と比較する場合は「phoronix-test-suite benchmark root-9170-30463-10839」というコマンドを実行するだけでよい。すると、該当するテストの取得、コンパイル、実行が自分のマシンで行われ、その結果がPTS Globalから読み込まれたデータと比較表示される。
PTSはあらゆるタイプのLinuxユーザにとって便利で使いやすいアプリケーションであり、ドキュメント類も揃っている。日常的にレビューを実施している私の場合、大量のテスト結果のバックアップに使えそうだ。仮想化環境におけるFedoraとUbuntuのパフォーマンス調査を私が進めている間に、次のページにあるMichael Larabel氏(Phoronixのオーナーであり、PTSの主任開発者)のインタビュー記事も参照しておくとよいだろう。そちらには、彼がプロジェクトを立ち上げたきっかけ、ハードウェアおよびソフトウェアベンダから寄せられる関心、今後の開発予定が記されている。
