coLinuxは、Dan Aloniが2000年に取り組み始めたプロジェクトだ。当時AloniはWindows育ちのコンピューター科学科1年生だったが、フリーソフトウェアに熱中するようになり、User Mode Linux(テストのために仮想マシン上でGNU/Linuxを動かそうというプロジェクト)をCygwin(よく知られたWindows向けUnix風環境)に移植しようと思い立って、プロジェクトUmlwin32を立ち上げた(このプロジェクトは現在も存続するが、Aloni自身は積極的に関与していない)。
やがて「WindowsのユーザーAPIは柔軟性が低く、Linuxカーネルをそのまま載せるには不十分だ」と確信するに至ったAloniは、LinuxカーネルのソースをCygwinの下でコンパイルしlinux.sysファイルを作ってみるなど(問題が多発して諦めた)、ほかの道を模索し始めた。そして、2003年、それまでに培ったLinuxカーネルについての知識を武器にAloniはゼロからcoLinuxを立ち上げた。
2005年5月に小さな会社(2007年にIBMに買収された)を設立して以降、Aloniはプロジェクトの管理から遠ざかっている。現在、ストレージ・システム分野の仕事をしているAloniは「忙しすぎて、今は、Cooperative Linuxの維持管理に積極的に関わる余裕がない。しかし、気にはかけている」と言う。開発者用ページは古いままだが、プロジェクトは、今、Henry Nestlerが維持管理している。
今もベータ段階にあるcoLinuxだが、主な利用者は2通り想定されている。1つは、古くからのプロジェクト・メンバーである岡島純が「デスクトップLinuxを一般の人々の手に」を標榜していることからわかるように「WindowsからLinuxへの王道を提供する」こと。2つめは、Cygwinとほぼ同じだが、フリーソフトウェアを長く使ってきた人が使い慣れたGNU/LinuxツールをWindowsでも使えるようにすることだ。
