知的所有権を扱う法律家で、オンタリオ州トロントの弁護士事務所Aird & Berlis LLPに所属するKen Clark氏は、Bill C-61にはプラスとマイナスの両側面があると指摘している。もっとも同法案は、立法プロセスの極めて初期の段階に置かれているに過ぎないため、現状で個人的な意見は特に抱いていないそうだ。
「(提出された草案の内容には)バランスを取ろうとする方向での努力が読み取れます」と同氏は説明する。「私の見るところ、実行可能コードに対するリバースエンジニアリングという行為の一部は、DRM(Digital Rights Management=デジタル著作権管理)により妨げられることになるでしょう。とは言うものの、DRMには海賊コピーの蔓延を防止する働きも期待できるはずです」
「そもそもDRM機構の実装は、何らかの誤った方向に誘導される危険性を秘めていますし、この種の問題を解決する上での洗練されたアプローチとは言い難いでしょう。それよりも(政府は)権利や使用法の公正化に主眼を当てた条項を拡張しておくべきだったのではないでしょうか。その一方で提出された草案の中には、上演者の権利保護のような好意的に受け止めるべき内容が多数取り込まれているのも事実なのです」
CSIAは既に数百名のカナダ人による署名を集めた請願書を作成しているが、今後もオープンソースというビジネスモデルに対して現状のBill C-61がいかに危険であるかを、ソフトウェアコミュニティだけでなく政治家その他の政策決定者に訴えていくつもりだとしている。
「CSIAおよび各種の草の根団体は現在、ソフトウェア業界の関係者への呼びかけを進めており、また政治家など政策決定の立場にある人々との交流を図ろうと努めているところです」とMcOrmond氏は語る。「こうしたTPMの不正使用については、政府による適切な権利保護がもたらされないばかりか、それに抵触する者すべてが犯罪者と見なされかねないという本質的な問題点を、全員が正しく認識する必要があるはずです」
Ian Palmerはカナダのトロント近郊を中心に活動するフリーランスのライターであり、主としてテクノロジおよびビジネス関連の問題を取り上げている。
