Archを拡張する
Arch Linux 2008.06ではインストールが完了しても、フル装備のグラフィカルデスクトップ環境が提供されるわけではない。そうではなく提供されているのは、独自のシステムを構築するための堅固な基盤とツールのみだ。このようなアプローチの利点は、標準的なパッケージのセットから余分なものを削除する必要がある従来のディストリビューションとは対照的に、システムを一から仕立て上げることができるということだ。つまりArchでは、ディストリビューションベンダではなくユーザがパッケージの選択権を握っている。
Archでは、ウェブサーバだけが必要な場合にはApacheとその他の必要なコンポーネントやライブラリだけをインストールして、デスクトップ関連のものは省くことができる。またコンピュータをジュークボックスとして使用したい場合には、MPlayerと、よく使われている形式のほとんどを再生することができるcodecsパッケージとを追加して、それ以外のパッケージは省くことができる。一方Archを最新デスクトップとして日常的に使用したい場合には、KDE最新版や3Dコンポジティングマネージャやお気に入りのデスクトップアプリケーションをインストールすれば良いだろう。
この作業についてもやはり難しいことのように聞こえるかもしれないが、Pacmanのおかげで実際には難しくはない。インストールガイドでは、ALSAサウンドサーバやXサーバから人気のデスクトップ環境まであらゆるものを自分でインストールする方法が説明されている。そのため実際には何でもない作業だ。例えば「pacman -S firefox mplayer mplayer-plugin codecs flashplugin」というコマンドを実行すれば、Firefoxブラウザの最新版とそのFlashプラグイン、オーディオ/ビデオプレイヤのMplayerとそのプラグインとコーデックをインストールすることができる。Arch Linuxのリリースは段階的に発展する――つまり言い換えれば各リリースは別ブランチや別バージョンに分かれているのではなく、単に既存のリポジトリに新しいパッケージが追加されていくだけなので、全システムのアップデートも「pacman -Syu」というコマンドを実行すれば良いだけだ。
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| Arch Linuxのデスクトップ(KDEmod) |
今回はCD-ROM経由とFTPミラー経由の二通りの方法で、1GBのRAMとワイヤレスでないEthernetカードを搭載した2.0GHz Core 2 Duo E4400デスクトップ上にArch Linuxをインストールした。ネットワークアダプタは適切に検出されて、DHCP経由での設定もうまく行った。またBase(基本)パッケージをインストールした後は、インストールガイドに従って基本的なXfceシステムを設定してみた。さらにその後、Arch Linux向けに最適化したモジュール型/調整版KDEであるKDEmodも試してみた。なおKDEmodはKDE 4.1ベースのunstableブランチを試した。
Pacmanについてもっとも嬉しく感じた点は、インストールしたいものだけをインストールすることができるということだ。例えば、KDEのグラフィックスパッケージをまるまるすべてインストールしなくても、KSnapshotプログラムだけを望み通りにインストールすることができた。これによりディスク領域の節約だけでなく、肥大化知らずの電光石火の性能が実現されている。インストールしたArch Linux 2008.06では、ブートからKDEデスクトップが利用可能になるまでに20秒とかからず、またどのアプリケーションもほぼ瞬時に起動した。
