Shuttleworth氏は、OLSの伝統にのっとって、2007年度の基調講演者James Bottomley氏の紹介を受けて登壇した。Bottomley氏は、Shuttleworth氏の過去数年間のLinuxカーネル関連メーリングリストへの投稿数をグラフで示し、そこにある3年間の空白について、1年目は5億ドルを手に入れ、2年目は「地球にいなかった」、3年目はUbuntu Linuxディストリビューションを立ち上げるために多忙だった、と説明した。
Shuttleworth氏の講演のタイトルは「The Joy of Syncronicity(シンクロニシティの喜び)」。いかにしてLinuxのマーケットを万人向けに成長させ、ソフトウェア開発の無駄を減らすかについて氏のビジョンが語られた。世界は変化している、私たちも変わらなければならない、と彼はいう。
Shuttleworth氏の見解では、開発を後押しする3大要素は歩調(Cadence)、コラボレーション(Collaboration)、顧客(Customers)でなければならない。
"歩調"は、プロジェクトのリリースが実施されるペースを意味する。リリースは定期的であり、次のリリースがいつになるか予測が可能であり、そのサイクルはカレンダーに厳密に従う必要がある。たとえば、Ubuntuは6か月のリリースサイクルを目標とし、メジャーリリースは2年に1回とされている。GNOMEも、初期は苦労したが、現在は同様のペースでリリースされている。KDEも検討を始めたところである。
Shuttleworth氏にとって、シンクロニシティとは、顧客の利益のために複数のプロジェクトの歩調がコラボレートされることに他ならない。Linuxカーネル、gcc、KDE、GNOMEは、他に先んじて、共同でリリースされるLinuxディストリビューションにおいて常に同じバージョンになるべきであり、これがコードの無駄を減らし、Linuxのマーケットを万人向けに成長させるのに役立つ。
要点は単純だ。Shuttleworth氏のビジョンでは、すべてのディストリビューションで主要なソフトウェアのバージョンは同一になるが、それ以外の個性が消えることはなく、各ディストリビューションの独自性が提供され、今日と同じぐらい生き生きとしたディストリビューションの多様性が保たれる。リリース時期が予想可能なことは、関係者すべてに恩恵をもたらす。カーネル開発者は、どのバージョンのカーネルがいつどのディストリビューションで使用されるか正確にわかるので、開発を進めやすくなる。同じことは、オープンソースコミュニティのあらゆる側面に当てはまる。
Shuttleworth氏は、このような予測可能でマーケットフレンドリなセットアップが、すべてのディストリビューションとマーケットにとってLinuxマーケット全体を成長させると期待している。
