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Marble、エンジンはGoogle Earthに匹敵

2008年08月14日 10:00 Bruce-Byfield(2008年8月11日(月))
 Free Software Foundationの優先リストは、フリーソフトウェアが競争力を持つために必要なアプリケーションの一覧だが、そこに掲載されている項目の1つが、KDE 4.1に同梱されている Marble バージョン0.6の登場によって削除できそうだ。今はまだGoogle Earthの敵ではないが、基盤となるエンジンは将来のバージョンで好敵手となりうる力を備えている。あと必要なのは、具体的なデータ、ビューの追加、フリー・オンライン・リソースとの統合だ。

 Marbleは、注釈付きの周期律表 Kalzium や天文プログラム KStars などの教育用ツールでよく知られているサブプロジェクトKDE Educationが提供する新しいツールだ。これまでのツール同様、Marbleも教育用というレベルを超えて、手軽な参考資料としても十分に使える機能を備えている。

 衛星ビューから平面のアトラス・ビューに至るまで、世界を見るさまざまなビューから構成されており、どのビューも地球儀、平面地図、メルカトル投影図法(変形が伴い、グリーンランドが拡大されオーストラリアが縮小されるなどするが、発明から500年たった今も広く使われている)で表現することができる。ビューを初めて開いたときは作成に10秒から20秒を要するが、その後は数秒でビューを切り替えることができる。

 ビューはLegendsタブでカスタマイズでき、町、山(衛星ビューとアトラス・ビュー)、関心のある場所(南北の極や空港など)、地表の特徴(氷床や砂漠など)、地図用の記号類(磁針や経緯線など)などの表示・非表示を指定できる。現在は機能のグループを非表示にできるだけで個別には選択できないが、いずれ細かく設定できるようになるだろう。

 ビューには、Earth at Nightなど美しいビューが1つ2つあるほか、12月と7月の降水量と気温を表示するなど実用的なビューもある。将来は、経済的、地理的、社会的情報を表示するさまざまなビューが提供されるに違いない。

場所の検索

 どのビューでも、場所を検索する方法が複数用意されている。1つは、マウスでドラッグしながら見たい所を探す方法。地球儀の場合は、どの方向にもドラッグすることができる(だから、磁針が地図記号の標準パーツになっている)。

 もっと効率的に場所を探したければ、Navigationタブが利用できる。このタブでは、拡大や縮小、中央の位置の変更ができ、自動ワード補完機能付きの検索フィールドで特定の町を表示することもできる。この機能は効率的だが未完であり、知名度の低い町は収載されていない。ある程度の規模を持つ町でも収載されている所といない所があり、収載の基準はないようだ。

 最新バージョンでは、さらに詳細な第3の検索方法が提供されている。オンライン状態で使用するOpenStreetMapビューで、街路レベルの地図を表示することができる。.JPGまたは.PNGでの保存や印刷も可能。しかし、町レベルのビュー同様、この街路地図も未完成だ。一部地域では幹線道路は表示されるが裏通りの多くは表示されない。しかし、File→Download New Dataで最新情報に更新できるので、いずれこの状況は改善されるだろう。

将来

 Marbleがすべての領域でGoogle Earthのライバルになるとは考えにくい。たとえば、近い将来、衛星ビューや街路イメージが頻繁に更新されることはないだろう。

 しかし、実用レベルで見れば、バージョン1.0がリリースされるまでにGoogleに比肩できるレベルに達しない理由はないだろう。確実な改善点もある。Wikipediaへのリンクは簡単に実装できるだろうし、すでにGoogleの Panaramio へのリンクが予定されている。同じように、OpenStreetMapのデータが完備されれば、住所検索機能もGoogle Mapsと同レベルの機能が提供できるはずだ。

 MarbleはGoogle Earthよりもかなり速く、またKDE 4向けの多くのアプリケーション同様、Plasmaデスクトップ上の拡大縮小が可能なベクター・グラフィックスを使っているという利点もある。機能的にはまだ発展途上だが、Googleが提供するネットワーク・サービスに代わるフリーライセンス版が登場したとするに十分な出来だ。今や問題は、それを使って何をするかにある。

Bruce Byfield コンピューター・ジャーナリスト。Linux.comの常連。

Linux.com 原文
最終更新:2008年10月14日 17:07