ソフトウェアのインストールとセキュリティ
NimbleXに興味はあっても、Slackwareはソフトウェアのインストールが難しいとのうわさで尻込みしている人は、パッケージ管理機構としてコマンドラインでslaptが、デスクトップでGslaptが採用されていることを知れば、多少安心するだろう。その名前が示すとおり、これらのソフトウェアはDebianのapt-getに相当する機能(依存関係の自動解決など)をSlackwareベースのディストリビューションで実現するものだ。この手のアプリケーションでよくあるように、基本的なコマンドを理解すればコマンドライン版の方が簡単に使える。デスクトップ版では、手際よく使うためにウィンドウの大きさを絶えず調節し、タブを頻繁に切り替えなければならないからだ。
ただ問題なのは、依存関係を解決するソフトウェアがその能力を発揮するためには、それをサポートするパッケージとリポジトリの出来がよくなければならないのだが、NimbleXの場合はそのどちらも弱い。まず、選択できるパッケージの数が500パッケージ未満に制限されている。これにはKDEだけでなく、デスクトップ以外のパッケージも含まれる。また、BluefishやKrusaderなど、いくつかのケースで必要なライブラリが手に入らないためにパッケージがアンインストールできなかったり、利用できなかったりする。NimbleXチームはパッケージ管理にもっと注意を向けるべきだ。
セキュリティについても同じことが言える。NimbleXにはClamAVとGuarddogファイアウォールが用意されているのに、基本的に注意すべき点がまるで守られていない。ユーザーアカウントがインストール時に作られないばかりか、デフォルトのrootパスワード(ディストリビューションのダウンロードページに掲載されている)を入力しなくてもインストール後のデスクトップにログインできてしまう。場数を踏んだユーザーなら、こうした構成は即刻直す必要があることはわかっているはずで、いかなるディストリビューションでも、これほどずさんなセキュリティの設定を放置するのは無責任だと思う。
功罪相半ば
NimbleXを使ってみて印象に残ったのは次の2点。第一に、テラバイト級のハードディスクが当たり前となりつつある昨今、速度とコンパクトさを追求するのは時代遅れで無意味に思えるかもしれないが、NimbleXの明確な方向性は評価できる。多くのディストリビューションがこの面にほとんど注意を払っていない中で、ここに重きを置くのは新鮮であり、それが性能に反映されるならなおさらだ。コンピュータのユーザーがマシンの性能を最後の一滴まで絞り出す時代はとうの昔に終わったのだろうが、NimbleXの効率の高さは、まだ多くの人々に評価される可能性がある。
第二に、インストーラ、パッケージ、そしてセキュリティに含まれるさまざまな不備を見ると、NimbleXは中心となる目標に力を入れるあまり、ディストリビューションとしての基本部分を疎かにした感はぬぐえない。
ともあれ新バージョンが出たのだから、NimbleXの開発者には、上で述べた問題の解決に専念してもらいたい。それが可能ならNimbleXは推薦する価値のあるディストリビューションとなる余地をまだ残している。しかし、それまでは、どんな推薦も相当割り引いて受け取る必要がある。
Bruce Byfieldは、コンピュータ専門誌記者としてLinux.comに定期的に寄稿している。
