教室を出て
政府の支援するオープンソースコミュニティでは、オープンソース教育課程の開発に当たるほか、オープンソース会議、講演、コンテスト、フェスティバル、学内行進などの活動を定期的に行って、オープンソース産業の文化・歴史・思想・技術を学生間に広めようと努めている。これと並行して、政府支援の対象から外れているオープンソースコミュニティもオープンソース情報の無料提供、外国で発表されたオープンソース関連記事の翻訳、オープンソース技術フォーラムなどの活動を通じ、中国の多くの若者の目をオープンソースの世界に向けさせている。
こうしたコミュニティによる普及活動もあって、オープンソースの思想は中国人プログラマの間に強固に根づいた。PHPChinaが2007年6月に行った調査によると、PHPプロフェッショナルの32.6%が「PHPを選んだのはオープンソースだから」と答えた。また、PHPを学ぶ意思のある人の64.8%が「PHPのいいところはオープンソースであること」と答えた。中国人PHPプロフェッショナルの4分の3以上が、国内のPHPコミュニティから何かを学び、情報を得ていることも、同調査で明らかになった。
オープンソースに関する知識は中国国内で急速に広まっている。だが、グローバルな見地に立つと、まだ、世界のオープンソース産業の発展に目立った貢献をするまでには至っていない。これは、若い中国人がオープンソース産業に参入したばかりであるためかもしれないし、新しく得た仕事を手放さないために週に60時間以上も働かねばならず、当面、オープンソースプロジェクトに割ける時間がないためかもしれない。いずれオープンソース教育のシステムが改善され、今日のオープンソース新参者が明日のベテランに成長していけば、世界のオープンソースコミュニティでも中国の存在感が増していくと思われる。
Chen Nan Yangは中国のフリーランスジャーナリスト。中国の政府機関でITディレクタを務めたこともある。
