フリーソフトウェア・コミュニティーのメンバーならご存じのとおり、GNU Projectはフリーソフトウェア・プロジェクトの集合体であり、その誕生は一般にフリーソフトウェア運動の始まりとして認識されている。FSFのキャンペーン・マネージャーであるMatt Leeによると、現在、典型的なGNU/Linuxディストリビューションの15%弱がGNUソフトウェアだという。
しかし、GNUにしてもフリーソフトウェアにしても、その理念は特定のコンピューター・グループの枠の中にとどまり、それを越えて大きく広がってはいない。そうした現状を改めること。それがこのビデオの大きな目的だとFSFのディレクターPeter Brownは言う。Fryの人気、そして巧みな話術と著作で、このビデオはそれを実現する大きな可能性を持っている。
Fryは、2月2日付けのブログで自身がサポーターであることを明らかにした。「オープンソースの2つの柱はGNU ProjectとLinuxだ。ここで詳しく紹介することは差し控えるが、次のことだけは声を大にして言いたい。今後5年以内に、皆さんのコンピューターでも、この2つに連なるソフトウェアが動いていることだろう。そして、それによって皆さんの生活がより良くより満足できるものになっているはずだ」
このブログがMatt Leeの目にとまり、LeeはFryに依頼、ビデオはこの春ロンドンで収録された。
ビデオ
「Happy Birthday to GNU」と題されたこのビデオで、Fryは、古いれんが造りの建物の2階か3階で肘掛けいすに座っている。まず、自分がパーソナル・コンピューターができて以来のコンピューター・ファンだったことから話を始め、次のように続ける。「しかし、最近はご多分に漏れず、『フリーソフトウェア』に関心が移っている。フリーソフトウェアの意味についてはいろいろ複雑な点もあるから、整理しておこう」
そして、ソフトウェアを下水管に喩え、下水管を使っている人はたとえ修理方法を知らなくても修理する権利を持っているが、ソフトウェアの場合、MicrosoftやAppleなどのプロプライエタリー企業はそうした権利を否定しようとすると説明する。
次に、フリーソフトウェアを学術界に喩える。学術界では伝統的に知識を共有する。「(共有)しなければ、それは悪しき科学であり一種の専制だ」。かくして、聞く者はソフトウェアの完璧なアナロジーを思い描くことになる。
Windowsのライセンス画面や若い頃のRichard Stallmanの写真などを挟みつつ、Fryはフリーソフトウェア・コミュニティーとその歴史を説明していき、gNewSenseなどの完全なフリー・ディストリビューションを使おう、もし可能であればコードで貢献しようと呼びかけて話を終える。
そして、「ともあれ、GNUの誕生日を私と一緒に祝ってほしい」と言うと、今まで画面の外にあったバースデー・ケーキを取り出し、「未来のオペレーティング・システム」GNU/Linuxに誕生祝いを述べ、「自由を!」と言ってローソクの炎を吹き消す。
漂っていたローソクの煙が薄れると、指についたクリームを舐めてFryは言う。「チョコレート味、世界で最も味のあるオペレーティング・システムだ」
