MySQLのゆくえ

MySQLの原作者で、今年2月にSunに買われる前はMySQL AB社のCTOだったMontyことMichael Widenius氏が、Sunを辞めるとか辞めないとかで騒ぎになっている。最初Vallywagが報じたのだが、Sunは否定しているようだ。と言ってもThe Registerの記事を見るとその否定の仕方は何だか煮えきらないものなので、おそらくは辞めるのでしょう。

このところ、Sunに買われてからのMySQLのライセンシング・ポリシーの変化に注目していた。発端は今年4月、本家/.にSunがMySQL(の一部機能)をプロプライエタリにするかもという記事が載ったことである。具体的には、MySQL 6.0のバックアップ機能やバックアップの暗号化・圧縮機能はクローズドソースにする、というような話であった。私としては、まあSunのことだしそういうこともあるかもねという程度であまり驚きもしなかったのだが、この方針は一ヶ月もしない間にあっさりくつがえされることになる。

この件についてはMonty氏も自分のブログで言及し、Sun自身が開発するMySQLのコードは今後もすべてオープンソースであると強調していた。彼自身筋金入りのフリーソフトウェア/オープンソース支持者として知られており、ブログの論調から考えても、プロプライエタリ化に最も強硬に反対していた一人が氏であったことは想像に難くない。

その氏が去り、私はSun麾下でのMySQLの開発の行方にやや懸念を持っている。せっかく大枚はたいて買ったものの、SunがMySQLに関して有効なビジネスモデルを見出せていないらしいことはこのところの迷走ぶりからも窺える。MySQL 日本法人の代表を長く務めたLarry Stefonic氏も最近辞めていたようだ。おそらく、MySQLの今後(というかJonathan Schwartz Sun CEOの親オープンソース路線そのもの)を巡ってSun社内でも綱引きというか暗闘があり、プロプライエタリ化を指向する人々の揺り戻しも今後またあると見ておくべきなのだろう。

それにしても、MySQLの「My」というのはこのMonty氏の娘さん、Myさんの名前にちなんでいたのですね。そして息子さんの名前がMaxだからMaxDB。わかりやすい…。