MIAUのインターネットリテラシ読本

私が片足を突っ込んでいるMIAUの話である。先週は何というか、「七日間の不思議」と言うにふさわしい一週間であった。少なくとも私には、何でそういうことになるのかさっぱり分からなかった。自分が三谷幸喜の喜劇の登場人物になったような気がしたものである。一つはっきりしているのは、私が池田信夫氏と何か一緒に仕事をすることは、もう無いだろうということだけだ。以上何のことやらという方は、なぜかはてなブックマークホットエントリ八分(?)になっているらしい弊団体代表、津田大介のブログ記事をご覧いただきたい。幸か不幸か先週は割と暇だったので、不思議の現場の多くに実際に立ち会うことができた。「パーティー1日前にして途方に暮れるMIAU幹事たち」の一人は私である。いやあ、あの日渋谷まで戻ってきて皆で食べた火鍋の味はおそらく生涯忘れることはあるまいね。後で腹壊したし。

皆さんとしては揉めごとのほうが見物していて楽しいのだろうが(笑)、まあそれはともかく、我々当事者としてはできればインターネットリテラシ読本「”ネット”と上手く付き合うために」公開のほうにも注目していただきたいのである。最近は猫も杓子も子供のネットリテラシ教育に取り組み始めていて、おそらく私たちの試みよりも質量ともに優れたものはあるだろう。しかし、中学校や高校で情報教育を担当される先生方、子供を持つ親御さんへのヒアリングを踏まえて、最も必要とされる部分のみをコンパクトにまとめ、おまけにクリエイティヴ・コモンズ・ライセンス(by-sa)の下で公開するというのは今後もあまり出てこないのではないかと思う。当たり前だが、これを元にご自分なりの教材を作って頒布することも可能である。我々としても今後さらに拡充を進めていくつもりだが、皆さんの忌憚ないご意見をぜひお聞かせ頂きたい。作成作業自体に参加、あるいはこの試みをスポンサーして頂ける個人や団体がおられれば、そちらも大歓迎である。作業用のWikiなども今後設置、公開していく予定だ。

ヒアリングや調査を行った上での私の個人的感想を述べておきたい。結局のところ、あまりインターネットに馴染みの無い大人は必要以上にネットを恐れていて、逆に子供たちはあまりにもネットを恐れていないように思われる。ようするに、実態と認識にずれがあるわけだ。結果として、大人としてはわけのわからないものはひとしなみに取り締まってしまえということにもなろうし(これは子供たちの生活にすでに深くネットないしケータイが埋め込まれている以上、事実上不可能である)、子供は子供で、見かけ上匿名であれば何を書いても自分に累が及ぶことはないと、無邪気に信じている場合も多いようである。逆に言えば、そのへんの根本を理解させることができれば、ああしろこうしろと細かく言わずとも彼らは自発的に危険を避けるようになる。このように認識のギャップをうまく埋め、等身大のネット像を抱かせることが、私たちの読本の使命だと考えている。私は私で、自ら認識のずれを思い知らされることになった。最近の子供にとっては、ケータイ、イコール、ネットなんですねえ。