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通常マシンをエンタープライズストレージとして使用可能にするOpenfiler

2008年09月12日 12:43 Cory Buford 1 2 3

 システムエンジニアである私は、各種の企業クライアントの求めに応じる形で、これまで様々なストレージを扱ってきた。実際そうした環境で使われている方式は、DAS(Direct-Attached Storage)、NAS(Network-Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、iSCSI(Internet Small Computer System Interface)など様々だ。そしてこれらの実装時にクライアントが選択するのは、EMC、Dell、Hewlett-Packard、EqualLogicなどのベンダから販売されているプロプライエタリ系のストレージ製品となるのが通常である。とは言うものの、この種のデバイスの実体は、ごく一般的なサーバに制御用のオペレーティングシステムと複数のハードディスクを搭載しただけのものでしかない。そのためのオペレーティングシステムとしても、一部ではUnixやLinuxベースのものが使われているのである。それならば、通常のサーバに要件を満たすオペレーティングシステムを搭載することで、ストレージ専用マシンに仕立て上げられるのではなかろうか?

 そうした可能性を追究しているうちに見つけたのが、Openfilerという多数のストレージ用プロトコルをサポートしたソフトウェアであり、これに最低限の要件を満たすマシンを組み合わせるとエンタープライズレベルのストレージデバイスが調達できてしまい、実に5,000ドル以上の経費節約が可能となるのだ。

  Openfiler は、Xinit Systemsにより2003年に開発された、CentOSおよびrPathベースのネットワークオペレーティングシステムであり、通常のx86-64システムをNASないしSANとして使用可能にさせ、その際には最大60TBまでをサポートできる設計になっている。OpenfilerではWebベースの管理システムが採用されており、NFS(Network File System)3、SMB/CIFS(Server Message Block/Common Internet File System)、WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)、HTTP/1.1、FTP(File Transfer Protocol)、iSCSIなどのプロトコルを用いたストレージシステムの構築と管理が簡単に行える。またRAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)を用いたストレージに関しては、0、1、5、6、10レベルでの構成が可能だ。またOpenfilerでは、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)、Active Directory、NIS(Network Information Service)、Hesiodなどの認証機構との統合も可能で、セキュアなストレージアクセスを確保することができる。

 通常のエンタープライズストレージと同様、Openfilerにもリカバリ用のスナップショット機能が装備されている。その上Openfilerでは無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)との統合もサポートされており、これは現状のプロプライエタリ系ストレージですら一般には備えていない特長の1つとなっている。このようにOpenfilerは、プロプライエタリ系製品に遜色ない機能、パフォーマンス、可用性を有しているだけでなく、同等の機能一式をより低コストにて提供できるのだ。

 Openfilerを使用するシステムの最小要件は、1GHzのプロセッサ、512MBのRAM、1GBのディスク容量(オペレーティングシステム用)、Ethernetカードの装備というものだが、良好なパフォーマンスを得るには、1.6GHzのプロセッサ、1GBのRAM、2GBのOSディスク容量、Gigabit Ethernetカード、RAIDコントローラの装備が推奨される。そして当然ではあるが、ストレージに使用するディスク群も用意しておかなくてはならない。私の推薦する最低限の構成は、ストレージシステム上にハードウェアまたはソフトウェア方式のRAID 5を構築するというシステムであり、この場合ハードディスクは最低3基が必要となる。最近のハードディスク価格は1TBのSATA(Serial Advanced Technology Attachment)ドライブでも200ドルを切っているので、3ディスク構成のRAID 5という選択肢はそれほどの負担にはならないだろう。RAID 5をサポートした4ポートSATA RAIDコントローラについても、高望みをしなければ100ドル程度の出費で抑えられるはずだ。なおFibre Channelホストバスアダプタ(HBA:Host Bus Adapter)を使用する場合は、事前にハードウェア互換性のリストを確認しておく必要がある。

 Openfilerの入手は、開発元のサイトからISO CDイメージをダウンロードできるが、その他にもVMwareアプライアンスが入手できるようになっている。ベアメタルおよび仮想化インストレーションに関する要件の詳細については、Openfilerのシステム要件ページを参照して頂きたい。

インストール

openfiler1_thumb.png
Openfilerのログイン画面

 Openfilerのインストール手順はシンプルであり、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)やCentOSのインストールと大差ない。ただしハードディスクのパーティションについては、その設定段階において、手作業にて必要な指定をすることになるだろう。ハードディスクパーティションの設定をインストーラ任せにしておくと、複数ディスクで構成された環境ではファイルシステムが分散化させられるのだが、ディスクの1つをOpenfilerの格納先として、残りのローカルディスクをすべてストレージにするという構成の場合、そうしたパーティション設定は手作業で行うしかないのだ。その他に必要なのは、rootパスワードやタイムゾーンなどの情報指定である。なおOpenfilerのインストール完了後はWebベースの管理システムを使用することになるので、IPアドレスについては動的な割り当てでなくインストール時に静的な指定をしておく方が便利だろう。

 これら必要な情報の指定が終わるとOpenfilerのインストール作業は最後まで自動で進行し、その間にユーザによる設定やパッケージ選択が求められることはない。本稿の執筆用に私が用意した試験システムは、Athlon X2 4400デュアルコア、2GBのメモリ、250GBのSATAディスク3基という構成である。そしてOpenfiler本体は、6GBの仮想ハードディスクを3基装備したVMware Workstationの仮想マシン上で実行させている。もっともこの構成ではハードウェアRAIDを使用できないので、今回は2基の仮想ディスクを用いてソフトウェアRAID 1をセットアップしておいた。

最終更新:2009年10月15日 18:18