Webをすべての人に、Tim Berners-Lee氏が新プロジェクトを立ち上げ

 World Wide Web(WWW)の生みの親として知られるTim Berners-Lee氏は9月15日(米国時間)、途上国を含め全人類を結びつける技術としてWebを推進する新組織「World Wide Web Foundation」の立ち上げを発表した。フリーでオープンな“1つのWeb(One Web)”を支援していくという。

 World Wide Web Foundationでは、1)One Web構想の推進、2)能力と堅牢性の面でのWebの強化、3)地球上のすべての人にWebの恩恵を与える、の3つを目標とする。中でも、「現在のWebは成長国が成長国のために開発したもの」とし、途上国を盛り込んだWebへの発展を大きな課題としている。全員がナレッジを共有し、サービスにアクセス・利用でき、統治に参加し、クリエイティブなコミュニケーションができることを目指すという野心的なものだ。

 活動は、研究開発、技術開発、社会的開発などを通して行い、政府、企業、NGO、コミュニティなどとの連携も図る。組織は現在、計画段階で、本格的な活動開始は2009年の予定。すでに、John S. and James L. Knight Foundationより5年間で500万ドルの資金提供を受けることが決定しているという。

 Berners-Lee氏はWebを考案した科学者で、World Wide Web Consortium(W3C)のディレクター、Web Science Research Initiative(WSRI)の共同ディレクターなどを務めている。新組織では、「将来のWebの姿を形作るための国際的なエコシステムを確立したい。いま以上に包括的なWebは、われわれ全員にメリットをもたらすはずだ」と述べている。

World Wide Web Foundation
http://www.webfoundation.org