11月の大統領選を前に、米国の有権者は、激しい論戦を呼びそうな重要課題が主要メディアおよび選挙広告でこれまで以上に取り上げられることを期待している。しかし、オープンソースおよびフリーソフトウェアコミュニティにとって重要な課題の情報は、なかなか目にする機会がない。ここでは、民主党と共和党の両候補がFOSSコミュニティの有権者に身近な問題についてどのように述べているかを紹介する。
Barack Obama氏もJohn McCain氏も、テクノロジをはじめとする問題に対する政策を記したポジションペーパーを選挙活動Webサイトに用意している。また、どちらの党についても、オフィシャルな政治要綱のPDF文書をダウンロードすることができる。以下で参照している情報はすべて、これらのドキュメントに基づいている。
テクノロジの問題に対する両候補のスタンスのほとんどは、「テクノロジ」という独立したページに記載され、そこではソフトウェアやネットワーク以外にも多くのテーマが取り上げられている。この部分はぜひじっくりと読んでほしいのだが、できればほかのポジションペーパーにも目を通すことをお勧めする。というのも、テクノロジの問題には、政策のその他の領域と重なっているものが非常に多いからだ。
ネットの中立性
両陣営のスタンスの違いがはっきりと出ているテーマに、ネットワークの中立性がある。Barack Obama氏がネットの中立性を明確に支持しているのに対し、John McCain氏は反対の構えを見せている。
Obama氏のプランには、インターネット成功の鍵はその歴史的なオープン性にあり、その特質は維持しなければならない、と記されている。
インターネットでのオープンな競争の恩恵を守るために、Barack Obamaはネットワークの中立性の原則を強く支持する。ほとんどの国民にはブロードバンドキャリアの選択肢が1社か2社しかないため、プロバイダはコンテンツやサービスに料金を課す傾向があり、平等な待遇を得るためにプロバイダに金を払うことを良しとしないWebサイトを差別しようとしている。これはインターネットの二極化をもたらすおそれがある。つまり、プロバイダに取り入って良好な関係を築いたWebサイトには高速にアクセスできるのに、競合関係にあるWebサイトには十分な回線速度が与えられない、ということである。そうした状況は、イノベーションやオープンなインターネットの伝統と構造を脅かすだけでなく、コンテンツプロバイダとバックボーンプロバイダの対立にもつながるだろう。
McCain氏のプランは、インターネットおよびソフトウェアのマーケットにこれまである程度の規制を敷いてきたことがインターネットの繁栄をもたらした、とする一方で、政府が度を越した規制を課してはならない、とも述べている。
John McCainは、“ネットの中立性”などという作り上げられた規範を信用してはおらず、むしろ、さまざまな選択肢を消費者に提供するオープンな市場が、公正さを欠いたやり方に対する最大の抑止力になる、と考えている。
また、次のようなくだりもある。
John McCainは、政府の不用意な介入によってインターネットの革新的な性質が損なわれる可能性を理解している。規制が不要なことを起業家に実証させるのではなく、規制の必要性を政府が実証してみせる必要がある。
