かつてのGNU/Linuxは、ファイルシステムのマウント/アンマウントが容易だった。mountコマンドの基本的なことや、テキストエディタによる「/etc/fstab」ファイルの編集の仕方を知っていれば、それで済んだ。しかし、カーネル2.6へのudevの追加によるプラグ&プレイへの対応、USBデバイスのホットスワップを求める声、論理ボリュームマネージャの利用増加などにより、マウント/アンマウントの手順は複雑化している。その数を伸ばしつつあるデスクトップユーザの多くは、そうした複雑さについていけないだろう。そこで登場してきたのが、Forlex Mount Manager、PySDM、MountManagerといったグラフィカルなマウントマネージャだ。
Forlex Mount Manager
Forlex Mount Managerは、ForLExのライブCD用に開発された。ForLExは、イタリア語を基本としたKnoppixベースのフォレンジック用ディストリビューションである。同ライブCDのツール群のなかで特に便利なこのマウントマネージャは、ソースコードだけを入手することもできる。
Forlex Mount Managerそのものは、比較的シンプルなユーティリティだ。起動すると、システム上に存在するファイルシステムのリストが表示される。デバイスをどれか1つクリックすると、「読み書き可能/読み取り専用/アンマウントしたドライブの再マウント」という各マウントオプションが表示されたウィンドウが開く。
要するにForlex Mount Managerは、mountコマンドのGUI版であり、主として、ファイルシステムのメンテナンスに伴うマウント/アンマウンの際に役立つ。フォレンジック用のCDに含まれているのはそのためだ。
PySDM
PySDMは、Forlex Mount Managerよりも洗練されたプログラムだ。PyGTKで記述されており、「/etc/fstab」のグラフィカルエディタとしてだけでなく、udevルールの設定によるデバイスの動的構成にも使える。
PySDMを実行すると、最初に基本的な情報が表示される。画面左側には、システム上の全デバイスがツリー形式で表示される。画面の残り部分は、選択されているデバイスの基本情報(デバイス名、マウントポイント、ファイルシステム形式、マウントに使えるオプション)を表示するタブで占められている。ファイルシステム形式の変更にはgpartedのようなパーティションエディタが必要になるが、それ以外の情報はすべて画面上で編集できる。
デバイスのマウントオプションを変更するには、「Assistant」ボタンをクリックしてサブダイアログを開く。このサブダイアログには、各種オプションが5つのタブに分かれた形で用意されている。「Mounting」タブでは、だれがデバイスをマウントできるのか、ブート時にマウントを行うか、読み取り専用でマウントするか、といった基本的なオプションを設定できる。「Special Files」タブでは、パーミッションの変更ができる。「Journaling」タブでは、ジャーナリング機能に対応したファイルシステムを利用している場合に同機能を無効にできる。無効にすると、処理速度が若干上がるが、リカバリの確実性は下がる。「Performance」タブでは、「ファイルまたはディレクトリを開くたびにタイムスタンプを更新する」といったオプションのオン/オフによって、ディスクアクセスの速度を調整できる。「Miscellaneous」タブには、「ファイルシステムでネットワークを利用するか」といったその他のオプションが含まれる。私が見た限り、ブート時に実行するコマンドで利用可能なオプションはほとんど揃っている。
メイン画面の2番目のタブは、udevルールを設定するためのエディタになっている。udevルールを作成するには、ツリー表示内のファイルシステムを選択した状態で「New」ボタンをクリックして、サブダイアログを開く。このサブダイアログでは、デバイス名やバスの種類といった条件のほか、ユーザ、所有者、マウント先のファイル名、ユーザの権限を指定できる。
PySDMは細部までよくできたツールだが、詳しいヘルプがどこにもないのが大きな欠点だ。確かに、各オプションの項目はそれなりに丁寧に記されているので、中級者レベルの知識があれば意味は理解できるだろう。また、マウントオプションはフィールド内に表示されるので、編集上の誤りが起こることもあまりなさそうだ(そのため、意味がわからないままデスクトップ上で編集するのとは違い、「/etc/fstab」ファイルにどんな変更を加えているのかがわかる)。それでも使い方を誤ると、場合によってはシステムの破壊といった問題につながるおそれがある。
