ある意味で、デスクトップの登場はコマンドラインにとって最良の出来事だった。グラフィカルな環境で動作することになった仮想ターミナルは、今では、タブ方式からフォント・背景色・前景色の簡易な変更に至るまで、ありとあらゆる種類の機能で満艦飾だ。いずれも、質素なシェルにはなかったものだ。おそらくは、そうして得られた威力と利便性の故だろう、あらゆるアプリケーションのインタフェースが(どれほど不適切であっても)グラフィカルにされてしまう今日でさえ、仮想ターミナルのための有用なユーティリティーが書かれている。1つのウィンドウでGNOMEターミナルの複数のインスタンスを表示するという、ただそれだけのために作られたプログラム Terminator は、まさにその一例である。
その便利さを理解するのに、筋金入りの開発者である必要はない。たとえば、manファイルでオプションのデフォルトを調べながらプログラムを起動するという状況を考えてみよう。普通なら、タブを2枚使うか、さもなければターミナルをもう1つ開くだろう。しかし、どちらにしても完全に満足できる方法ではない。タブの場合はクリックを繰り返して2つのターミナルを行ったり来たりしなければならないし、ターミナルを2つ開く方法なら確かに両方を見ることはできるが、通常、ターミナルのウィンドウを自分で並べ直す必要がある。どちらにしても、使うターミナルが多くなればなるほど問題は複雑になる。
これに対して、ウィンドウを分割して別のターミナルを開くことができれば、両方を同時に見るのに何の支障もない。さらに、複数のウィンドウを開いて作業していて、ターミナルを一旦離れてから戻る場合も、2つのウィンドウではなく、1つのウィンドウを表に出すだけで、すべてのターミナルが現れる。
Terminatorの最新バージョン0.8.1-1は、プロジェクトのサイトからtarファイルの形で入手できる。また、Debian、Fedora、Ubuntuなど、パッケージを提供するディストリビューションも徐々に増えている。本体のほかに必要なパッケージはpython、python-central、python-gnome2、python-vteだけで、最後のパッケージを除けば、どれも標準パッケージなのでインストール済みだろう。
Terminatorを起動する基本コマンドはその名と同じだ。挙動を制御するオプションがいくつかある。-mは最大サイズで、-fはフルスクリーンで起動するオプションで、この場合-bオプションも付けると便利だ。タイトル・バーもスクロール・バーもボタンも表示されなくなる。デフォルト以外のプロファイルで起動したいときは、「-p profile=profile name 」でプロファイルを指定する。同様に、デフォルトではないシェルを動かしたい場合は、-e=command を付ければよい。