GoogleやYahoo!、Twitterでタグクラウドを表示する「Search Cloudlet」拡張

 最近、いろいろなWebサイトでよく見かけるものに、「タグクラウド」がある。この言葉自体はよく分からなくても、ブログや検索サービスなどで、たくさんのキーワードが大小様々な大きさでさながら雲のように表示されているのを見たことがあるはずだ。これは、Webサイトに項目として付与されたタグを集約して、視覚的に表示したものだ。タグを雲(クラウド)のように表示していることから、「タグクラウド」と呼ばれている。多くの場合、タグは昇順でリスト化されていて、頻出度によって、フォントサイズや色に変化が付けられている。つまり、フォントサイズが大きく表示されているタグは、そのサービスで多く使われているキーワード、ということになる。つまり、旬の話題がそこから見えてくる、というわけだ。

 このタグクラウドを、Google検索結果に表示させることができたら便利ではないだろうか。といっても、現状でGoogleにはそのような機能はない。しかしFirefoxには、それをも実現してしまうアドオンが存在する。「 Search Cloudlet for Google, Yahoo and Twitter 」という拡張機能だ。しかも、副題を見れば分かるように、Googleだけでなく、Yahoo!検索にも対応していて、最近Twitterにまで対応した優れものである。

 Search Cloudletを導入すると、GoogleおよびYahoo!の検索結果ページ、そしてTwitterページの上部に、追加のキーワード候補をタグクラウド風に表示できるようになる(図1)。このクラウドからキーワードをクリック選択すると、選択したキーワードを元のキーワードに追加したかたちで再検索されるのだ。つまり、マウスクリックだけで次々とキーワードを追加して、絞り込み検索が可能となるのである。これは一度やってみるとなかなか軽快だ。

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図1:Search Cloudlet導入後のGoogleの検索結果

 もちろん、GoogleやYahoo!の検索結果にも、他のキーワードとの組み合わせの候補が表示されるが、ただ並列で表示されているに過ぎない。これがクラウド表示されることで、パッと見でキーワードが見えてくるのは素晴らしい。

 この追加キーワードは、検索結果ページから抽出されている。一般的なタグクラウドと同様に、出現頻度の高いキーワードが大きく、低いものが小さく表示されるので、よく利用されているキーワードが一目で分かるのだ。つまり、検索エンジンの1ページあたりの検索結果の表示件数を増やしておけば、その分だけ精度が高いクラウドを表示させることができるというわけだ。

 だが現状では、問題点がないわけでもない。キーワードとして英語や数字しか認識できないということだ。つまり日本語で検索しても、クラウドに日本語のキーワードは登場しない。これは、日本語で調べたい我々にとっては、少々厳しい問題かもしれない。といっても、英数字はきちんと取得できるわけで、そのキーワードに限れば問題はない。今後のバージョンアップで日本語にも対応してくれることを願うばかりだ。

 インストールは、他のアドオン同様に簡単だ。FirefoxアドオンサイトのSearch Cloudletのページから「Firefoxへインストール」をクリック、確認ダイアログが表示されたら「今すぐインストール」ボタンをクリックする。インストール終了後は、指示に従ってFirefoxを再起動するだけだ。

 インストールが終わったら、さっそくGoogleやYahoo!で検索してみよう。すぐにその効果が分かるはずだ。また、Twitterではホームを表示させただけで、クラウドが表示されるようになっている。自分や、フォローしているユーザーの最近のつぶやきからクラウドが生成されるというわけだ。ニュースサイトよりも情報が早いことがあるというTwitterなだけに、これはなかなか利用価値が高いかもしれない。

 また、これらのタグの左上部にはメニューが付加されている。これにより、クリックだけでクラウド表示を切り替えることができるのは便利だ(図2)。共通するものとしては、「Tags」がデフォルトで表示されるタグクラウドで、「Off」でクラウド表示を隠すことができる。必要に応じて、ワンクリックで簡単に隠すことができるので、邪魔にならないようになっているのもいい。

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図2:Search Cloudletのメニュー(検索サイトの場合)

 GoogleやYahoo!の場合は、メニューに「Sites」「Net」という項目がある。「Sites」ではWebサイトのサイトドメイン、「Net」は「.com」や「.jp」などのトップドメインのクラウドを表示させることが可能だ。

 Twitterの場合は「Authors」「@To」「#Tags」という項目がある(図3)。「Authors」は発言者、「@To」はフォローされている名前、「#Tags」は#付きタグに切り替えることができる。

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図3:Search Cloudletのメニュー(Twitterの場合)

 これらを切り替えることで、クラウド表示を一層活用することができるだろう。

 Search Cloudletは、基本的に何の設定をしなくても使えるが、オプション設定をすることで、より使いやすくすることも可能だ。「ツール」→「アドオン」→「拡張機能」の「Search Cloudlet」から「設定」ボタンをクリックする。これで、「Search Cloudlet Options」ダイアログが開く。

 「Integrate with」タブ(図4)は、Search Cloudletが適用されるサービスの設定である。Googleは「Google Web Search」「Google News」「Google Blog Search」「Google Scholar」「Google Shopping」の5サービス、Yahoo!は「Yahoo! Web Search」「Yahoo! News」の2サービス、Twitterは「Twitter Search」「My pages」「Other user’s pages」の3サービスにそれぞれ対応していることが分かる。今後の拡張も気になるところだ。デフォルトは、すべてにチェックが入っており、通常はそのままで問題ない。

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図4:「Integrate with」タブ 図5:「Appearance」タブ

 設定するとしたら、「Appearance」タブ(図5)だろう。これは、1ページに表示させる、最大クラウド数と、フォントサイズについて設定するものだ。クラウド数は数値で設定し、フォントサイズは50~150%の間で設定可能。これもデフォルトで問題はないが、自分が使いやすいように調整するとよいだろう。「Restore defaults」ボタンをクリックすればいつでもデフォルト設定に戻せるので、いろいろ変更してみるといい。

 Search Cloudletが提供するタグクラウド機能は、そのうちGoogleやYahoo!、Twitterで標準機能となるかもしれない。だがそれまではGoogleやYahoo!検索で情報を収集するユーザー、そしてTwitterを活用しているユーザーには必携のアドオンになるかもしれない。