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VirtualBox 2.2:Linux版はお勧めだが、Windows版はバグだらけ

2009年04月17日 14:00 森英幸 1 2 3 4

OVFによる仮想アプライアンスのインポート/エクスポート

 VirtualBox 2.2の最大の目玉となるOVFは、DMTF(Distributed Management Task Force)」という団体によって策定された仮想マシンの標準フォーマットだ。ただし、OVF仕様が出来たばかり(2009年3月リリース)ということもあり、現在OVFを直接サポートしている仮想化ソフトウェアはVirtualBox 2.2だけである(VMwareは「VMware OVF Tool」、Citrixは「Kensho OVF Tool」といった外部ツールでOVFに対応している)。このOVFは異なる仮想化ソフトウェア間で仮想マシンを移動させる際にも使えるが、主たる目的は「仮想アプライアンス」の普及にある。これまでも仮想化ソフトウェアで動作する仮想アプライアンスは存在したが、OVFが定着すれば仮想アプライアンスを提供する側も導入する側も仮想化ソフトウェアの種類を気にする必要がなくなる。

 さて、VirtualBox 2.2の「ファイル」メニューには、「仮想アプライアンスのインポート」と「仮想アプライアンスのエクスポート」という2つの項目が追加されている。メニューから「仮想アプライアンスのエクスポート」を選ぶとウィザードが起動するので、エクスポートする仮想マシンを選択して、仮想アプライアンスに付与する情報(提供元やライセンス形態など)を設定し、出力先を指定すればよい(図8)。なお、起動中の仮想マシンはエクスポートできない。エクスポートが完了すると拡張子「.ovf」の仮想マシン設定ファイルと拡張子「.vmdk」のディスクイメージが指定した場所に生成される。逆にインポートする場合は設定ファイルとディスクイメージを同じディレクトリに置いた状態でメニューから「仮想アプライアンスのインポート」を選び、ウィザードで設定ファイルを指定して「インポート」をクリックすればよい。

vbox8_thumb.png
図8:仮想アプライアンスのエクスポート

 ちなみに、付属マニュアル(英文)の「13 Known issues」に記載されているように、VirtualBoxのOVFサポートは完全な状態ではない。Intel-VT/AMD-Vや3Dアクセラレーションなどいくつかの設定はエクスポートされず、OVF標準で既定されているOVAフォーマット(設定ファイルとディスクイメージをtarアーカイブ化した形式)もサポートされていない。異なるマシンのVirtualBox間で仮想マシンを移動するのであれば、OVF形式を利用するよりもVirtuaBoxネイティブの設定ファイル(.xmlファイル)とディスクイメージ(.vdiファイル)をコピーするほうが無難だ。

Windows版の問題点

 Guest Additionsのインストール時にちょっとしたトラブルはあったものの、Linux版のVirtualBox 2.2はほぼ正常に動作した。では、Windows版はどうだろう。Windows XP SP3をホストOSとして試してみたが、筆者は以下のような問題に遭遇した。

  • ホストキー(ゲストからホストへ制御を移すキー、デフォルトは右Ctrl)が変更できない
  • NAT接続ができず、NATの詳細ダイアログも表示できない(図9
  • ブリッジネットワークドライバが正常にインストールされれず、ブリッジネットワークが利用できない(ホストの起動時に毎回「新しいハードウェアの検出ウィザード」が起動する)
  • ホストオンリーネットワークインタフェースが「接続は限られているか利用不可能です」というアラートを出す(図10

vbox9_thumb.png
図9:「割り当て」でNATを指定していてもドライバボタンをクリックすると別の接続方式の詳細ダイアログが表示されてしまう
vbox10.png
図10:ホストオンリーネットワークインタフェースのアラート

 ホストキーの問題は「Happy Hacking Keyboard」のように右Ctrlがないキーボードのユーザーには困った問題だが、Ctrl+Alt+Delでゲストからホストに戻ることができ、Guest Additionsをインストールすればホストキーを使わずにゲストとホストを行き来できるのでそれほど深刻ではない。だが、ネットワーク周りの問題は重大だ。ホストオンリーネットワークのアラートは、この接続方式が外部への接続を許可していないことを考えればこれで正常なのかもしれないが気分の良いものではない。

 2ちゃんねるのVirtualBoxスレッドには、修復インストール(VirtualBoxがインストールされた状態でインストーラを実行し、「Repair」ボタンをクリック)でネットワーク周りのトラブルが解消するという情報があり、実際、修復インストールと再インストールを5~6回繰り返してなんとかNATとブリッジ接続が可能になったが、不審な点は残った。たとえば、NATの詳細ダイアログはあいかわらず表示できず、ブリッジインタフェースはインストールされなかった(デバイスマネージャに表示されない)。そのため、ブリッジネットワークはホストインタフェースを介してのみ行えるという状態になった。さらに、NAT接続でネットワークを利用すると仮想マシンがフリーズするという現象にも遭遇した。フリーズに遭遇したのは1回だけなので一過性の現象かもしれないが、Windows版のVirtualBox 2.2は安心して使える状態とは言い難いというのが率直なところだ。問題を修正したバージョンが出るまで、Windowsホストでは旧版の2.1.4を利用するほうがよいだろう。

最終更新:2009年06月17日 17:08
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