ラウンド2: 逆襲
TechCrunchが逆襲に転じたのは今月5月に入ってからである。「Last.fm、否定してみろ」(Deny This, Last.fm)という挑発的なタイトルの記事を出してきたのだ。これはTechCrunchの編集長Michael Arringtonが自ら執筆したもので、以下の3点を主張している。
- なるほどLast.fmがRIAAにデータを引き渡したわけではない。引き渡したのはLast.fmの親会社のCBSだ。
- CBSはLast.fmを騙した。Last.fmは、CBSがRIAAに渡すつもりだと知らず、内部使用オンリーのつもりでデータを渡した。Last.fmのスタッフは外部にデータが流れたことを後で知って激怒している。
- TechCrunchの情報源にこのことをリークしたCBS社員はクビになり、CBSから訴えられそうである。
相変わらず、Last.fmに近い「TechCrunchの情報源」というのが誰なのか良く分からないので何とも言えないのだが、少なくとも以前の記事よりは話が具体的になってきた。メールのスキャンなどというものも公開している(こんなものは偽造も簡単だろうしいまいち意味が良く分からないのだが)。もちろんこの記事にもLast.fm側から反論があり、状況は混沌としていてまだまだ何とも言えないというのが現時点での結論である。
戦い済んで日が暮れて
結局今回の騒動がどういう方向で収まるのか、私には分からない。仮にLast.fm(というか親会社のCBS)が個人を特定可能なデータをRIAAに提供していたとしたら、それはそれで重大なスキャンダルだと思うが、むしろLast.fmとしては、ユーザに嘘をついていたことが明らかになるほうが、ダメージとしては大きかろう。また、もしLast.fm/CBSのほうが正しく、TechCrunchのほうが完全なガセネタを掴んでいた場合、こちらも容易ならざる事態である。一度目はともかく、二度目は完全にTechCrunchからLast.fmに喧嘩を売っているわけで、これが通らないとなるとニュースメディアとしてのTechCrunchの信頼性は失墜するし、それこそTechCrunchが消滅してもおかしくないくらいのスキャンダルと言える。ようするに、うやむやにする以外落としどころがなく、どちらも引っ込みがつかなくなっているのである。私が事態の進展を注視しているゆえんである。
