Debian開発者、R.Stallman氏の「Mono危険視発言」に対し回答

 「MonoやC#への依存を減らそう」というRichard M. Stallman氏の呼びかけに対し、Debian陣営が「誤解がある」とする公開書簡を発行した。「Debianの“デフォルトインスタレーション”にMonoは含まれていない」と主張している。

 この公開書簡はStallman氏に宛てたもので、Debian開発者でスポークスパーソンを務めるAlexander Reichle-Schmehl氏が6月30日(ドイツ時間)、自身のブログに掲載した。

 Stallman氏は6月26日、Free Software Fondation(FSF)のWebサイトにて、.NET互換のMonoやC#への依存に関して、米Microsoftがソフトウェア特許など法的手段を利用して係争となる可能性があり、「危険だ」と警告していた。文中、DebianがC#で作成されたアプリケーション「Tomboy」のために、デフォルトのインスタレーションでMonoを搭載すると決定したことをStallman氏は指摘していた。

 Reichle-Schmehl氏は、「Debianは、TomboyのためにデフォルトインスタレーションでMonoを搭載」していない、と記す。より正確には、デフォルトのGNOMEインスタレーションは変化がなく、これまで通り最小限のGnome Desktopを含むにとどまるという。変更するのは、パッケージセットをインストールするのに利用されるメタパッケージであり、Mono、TomboyなどGnomeに関連したあらゆるものを含むという。

 「“デフォルトインスタレーション”には変更ないが、GNOMEに関連したものすべてをインストールしようとする一部のユーザーが利用するパッケージの依存性は変更されている」と書いている。

 Stallman氏は24日付けの声明文で、フリーのC#実装への依存を意識的に減らしていくことを提案していた。

Debian project
http://www.debian.org/

Alexander Reichle-Schmehl氏のブログ
http://blog.schmehl.info/

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/