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インターネットに対する楽観論と悲観論

2009年09月03日 05:58 八田真行 1 2

インターネットが私たちの生活に影響を与えているということに関しては、もはや疑問の余地はない。問題は、それが良い影響であるか、悪い影響であるかということである。

楽観論と悲観論

インターネットが社会に良い影響をもたらすと思っている人を、ここでは「インターネット楽観論者」(internet optimists)と呼ぶことにしよう。逆に悪い影響をもたらすと思っている人を、「インターネット悲観論者」(internet pessimists)と呼ぶことにする。

私が見たところ、両者には個々の論点に対する意見の違いというレベルを越えて、かなりはっきりとした、一貫したスタンスの違いがある。青色ガラスを通せば世界は青く、赤色ガラスを通せば世界は赤く見えるというのに似て、同じものを見ても評価がまるで違うということがありうるのである。

もちろん、何だか訳が分からないものとしてむやみにインターネットを忌避したり、逆に手放しで礼賛したりするような手合いは論外だ。それなりにインターネットの仕組みに精通した人々の間で、にも関わらず評価が分かれることが多い、というのが興味深いところなのである。おそらく、突き詰めればその違いが、合理的判断や計量的評価というよりは個々人の信念や好み、価値観の領域に属するものだからだろう。

両者が対立する論点のうち、主なものを表にまとめると以下のようになる。これは別に私のオリジナルではなく、ブログThe Technology Liberation FrontのAdam Thierer氏がかつて提案していたものを訳して若干手を加えたものだ。なかなかうまい論点抽出だと思うのでご紹介したい。

インターネット楽観論者の見解

インターネット悲観論者の見解

文化 / 社会

ネットは社会への参加を促す

ネットは社会の分極化を促す

ネットは個人化、パーソナライズをもたらす

ネットは個人の断片化、孤立化をもたらす

「グローバルな一つの村」のイメージ

「小国分立」「バルカン化」 のイメージ

異種混交 / 思想の多様性をもたらす

同質性 / 思想の均一化をもたらす

ネットは民主主義を支持する傾向を生む

ネットは反民主主義的な傾向を生む

ネットは解放とエンパワーメントのツールである

ネットは多くの場合悪用と濫用のツールである

経済 / ビジネス

「フリー」であることの利益 を重視 (「フリー」 = 「自由」 = メディアやビジネスの未来)

「フリー」であることのコスト を重視 (「フリー」 = 「無料」 = メディアやビジネスの終焉)

これからは贈与経済の重要性が増大

所有権、利潤、企業が引き続き重要

「Wiki」モデル = 群衆の叡智、集合知の力を信奉

「Wiki」モデル = 衆愚、集合知の誤謬を問題視

マスコラボレーション の力を重視

個々人の努力 を重視

最終更新:2009年11月02日 17:07
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