Google、「Google Gears」開発を減速しHTML 5にフォーカスへ

 米Googleが「Google Gears」を減速する意向を示している。Gearsの技術の多くは次世代のHTML標準「HTML 5」に取り込まれており、プロジェクトの意義が薄れてきているようだ。

 Google社員がLA Timesなどの取材に応じて、Google Gearsに関する今後の方針を明らかにした。2007年に発表されたGearsは、GmailなどのWebアプリケーションをオフラインで利用できるようにするブラウザプラグイン技術。「ジオロケーションAPI、オフライン対応などのGearsの技術はオープンな標準としてHTML 5の仕様に多く取り込まれており、論理的に見て開発者はこれらの機能を利用するだろうと予想している」とGoogleはLA Times紙に対して述べ、今後Gears関連のアクティブな開発作業はフリーズするとの見込みを示した。

 GoogleのLinus Upson氏も技術サイトPC Magに対し、「(Googleは現在)Gearsを意義ある形で発展させていない」と認めている。同時に、今後はHTML 5にフォーカスをシフトさせる戦略を明らかにしている。

 HTML 5は開発中の仕様だが、FirefoxやSafari、Google Chromeなどが採用を始めている。なお、HTML 5で編集関連機能を担当するIan Hickson氏はGoogleに籍を置く。

 Googleによると、Gearsを利用するWebサイトのサポートは継続するという。

米Google
http://www.google.com/

Google Gears
http://gears.google.com