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インテル Atom プロセッサー向け インテル アプリケーション・ソフトウェア開発ツール・スイートで行うMoblinアプリケーション開発

2010年03月07日 23:59 松島浩道

 本特集では、「インテル Atom プロセッサー向け インテル アプリケーション・ソフトウェア開発ツール・スイート」を使用したMoblin向けアプリケーションの開発について紹介する。Moblinの標準開発環境の構築や、「インテル Atom プロセッサー向け インテル アプリケーション・ソフトウェア開発ツール・スイート」でのMoblin SDKの利用、そしてデバッガやプロファイラといった開発ツールの利用法などを解説していく。

 近年、ネットブックやモバイルインターネット端末(MID)といった、インターネット接続機能を備える小型・低消費電力端末が続々と登場している。これらは「Web閲覧とメール、そしてマルチメディアコンテンツの再生程度ができれば良いから、低価格で小型・軽量なデバイスがほしい」というユーザーの声に答えるものとして支持を集めており、また電子書籍市場が盛り上がりを見せる昨今では電子書籍用端末としても期待されている。

 これらの機器ではWebブラウジングやマルチメディアコンテンツの再生といった比較的複雑な機能が要求されることが多く、そのため低消費電力ながら高性能なハードウェア/ソフトウェアが求められている。これに対してインテルが提案するソリューションが、CPUとしてx86互換のAtom、OSとしてLinuxベースの「Moblin」を採用するシステムだ。x86アーキテクチャとLinuxの組み合わせはすでに幅広い稼働実績があり、また各種ライブラリやツールキットといった開発リソースも充実している。Webブラウザやマルチメディアプレーヤーを含む各種アプリケーションも多く開発されているため、低コストでのシステム構築が可能というのが訴求ポイントとなっている。

図1 ネットブック「EeePC 901」上で動作しているMoblin
図1 ネットブック「EeePC 901」上で動作しているMoblin

 そして、このMoblinプラットフォームでのソフトウェア開発に対応した開発ツールの1つに、「インテル Atom プロセッサー向け インテル アプリケーション・ソフトウェア開発ツール・スイート」がある。これは、Atomに最適化されたバイナリを出力できるコンパイラ「インテル C++ コンパイラー 11.1 Linux版」と、アプリケーション向けライブラリ「インテル インテグレーテッド・パフォーマンス・プリミティブ 6.1 Linux版」、プロファイラ「インテル VTune パフォーマンス・アナライザー 9.1 Linux版」、「インテル アプリケーション・デバッガー 2.0 Linux版」をバンドルした製品だ(表1)。

表1 インテル Atom プロセッサー向け インテル アプリケーション・ソフトウェア開発ツール・スイートに含まれる製品
製品名 説明
インテル C++ コンパイラー 11.1 Linux版 Atomに最適化されたバイナリコードを出力できるC/C++コンパイラ
インテル インテグレーテッド・パフォーマンス・プリミティブ 6.1 Linux版 マルチメディア処理やテキスト処理、信号処理、数値演算などの関数を含むアプリケーション向けライブラリ
インテル VTune パフォーマンス・アナライザー 9.1 Linux版 パフォーマンス解析ツール(プロファイラ)
インテル アプリケーション・デバッガー 2.0 Linux版 GUIを備えリモートデバッグにも対応するデバッガ

 これらの特徴を簡単にまとめると、次のようになる。

  • よりAtomに最適化されたコードを出力するコンパイラにより、アプリケーションパフォーマンスの向上が期待できる
  • マルチメディア処理や各種データ処理、文字列処理などに対応する高速ライブラリが提供される
  • GUIでさまざまな分析が行えるプロファイラやデバッガを利用できる

 もちろん、Moblinプラットフォームに向けたアプリケーション開発ではGCCやGDBといったオープンソースの開発環境を利用することも可能であるが、よりパフォーマンスを求めたり、強力なライブラリやデバッグ・プロファイル機能が必要であれば、ぜひ検討したい製品である。

 本特集では、この「インテル Atom プロセッサー向け インテル アプリケーション・ソフトウェア開発ツール・スイート」を使用したMoblin向けアプリケーションの開発について紹介する。Moblin標準開発環境の構築や、「インテル Atom プロセッサー向け インテル アプリケーション・ソフトウェア開発ツール・スイート」でのMoblin SDKの利用、そしてデバッガ・プロファイラなどの開発ツールの利用法などを解説していく。

MoblinおよびMaemo、MeeGoとの関係

 2010年2月15日、Moblinを支援する米IntelとフィンランドNokia、そしてLinux Foundationにより、Moblinと「Maemo」をマージし、「MeeGo」という新たなプラットフォームとすることが発表された(インテルのプレスリリース)。今後MoblinはMeeGoに統合されることとなる。

 MaemoはNokiaが開発するLinuxベースのOSで、同社製のスマートフォンや携帯デバイスに採用されている。これにより、MeeGoはネットブックやMID、車載向け情報デバイスから携帯電話、TV向けセットトップボックス(STB)まで、幅広い領域をカバーできるプラットフォームとなる。

 現時点ではまだマージ作業が行われている段階であるが、MeeGoプロジェクトのWebサイトでは徐々に情報が公開されつつある。また、2010年4月21日にはLinux Foundationにより「MeeGo Seminar Spring 2010」というセミナーも予定されている。興味のある方はぜひそちらも確認していただきたい。

 Moblinはさざまな機器での利用を視野に入れて設計・開発されたプラットフォームであり、中核となる「Moblin Core」と呼ばれるコンポーネント群をベースに機器やアプリケーション独自のUIを構築できるようになっている。Moblinアプリケーションを開発するに当たって、まずはMoblinプラットフォームの概要と、Moblin Core向けの開発環境構築方法について解説しておこう。

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 Moblinアプリケーション開発は実機と開発環境が異なるクロスコンパイル環境で行うため、通常のLinux向けアプリケーションとは若干開発手順が異なる。本記事ではIDEを使ったMoblinアプリケーション開発の基本的手順と、インテル コンパイラーを利用してMoblinアプリケーションをコンパイルするための設定方法などを紹介する。

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ネットブックやMIDといったリソースの少ないマシンで動作するアプリケーションをデバッグする場合、実行環境とは異なるマシンでアプリケーションの動作状況をモニタリングするリモートデバッグが有用だ。本記事ではEclipseやgdbserver、そして「インテル アプリケーション・デバッガー」といったツールを使用してリモートデバッグを行う基本的な手順を紹介する。また、アプリケーションのパフォーマンスを調査するプロファイリングをリモート環境で行う方法も解説する。

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最終更新:2010年05月07日 17:07