「Microsoft製品ベンダーのみを対象にした調達行為は違法」、カナダ・ケベック州裁が州のMicrosoft調達を違法と判定

 カナダ・ケベック州高等裁判所は6月3日(カナダ時間)、ケベック州政府による米Microsoftソフトウェアの調達について異議を申し立てていたオープンソースSI事業社の主張を認め、州の調達行為を違法とする判決を下した。原告側は「世界の勝利」と記している。

 この訴訟は、ケベック州政府が2006年、州のITシステムにMicrosoftソフトウェアを調達した行為の正当性を調べるもの。地元オープンソース専業社、Savoir Faire Linuxが2008年3月、ケベック州を相手に申し立てていた。

 この調達で、ケベック州はMicrosoftベンダーのみを対象に入札を行い、落札したベンダーより「Windows Vista」や「Office 2007」などを購入した。金額は68万6000カナダドル(約5876万円)といわれている。

 Savoir Faire Linuxは自社が入札に参加できなかったとし、これは「金額が2万5000カナダドル(約214万円)を上回る場合、他の選択肢を考慮しなければならない」とする州のルールに反する、と主張していた。

 一方の州側は、OSの変更はトレーニングなどの移行コストが発生すると主張していた。

 Savoir Faire LinuxのCyrille Beraud氏は、この判決は世界にインパクトを与えるもので「世界の勝利」と記している。

カナダSavoir Faire Linux
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