LLVM Project、次世代デバッガ「LLDB」を開発へ

 コンパイラインフラプロジェクトのThe LLVM Projectは6月8日、次世代デバッガ「The LLDB Debugger」サブプロジェクトを立ち上げたことを発表した。LLVMの技術を土台とし、高性能なデバッガ開発を目指す。

 LLDBは、モジュラー構造と再利用可能なコンポーネントを特徴とするモダンなデバッガインフラ。Clang、逆アセンブラAPIなどのLLVMの既存技術を土台とし、マルチスレッドデバッグをサポートする。まだ開発初期段階にあるが、Mac OS X(C、C++、Objective-C)上で基本的なデバッグが行えるという。大規模プログラムでのデバッグでは、現状でもGDB(GNU Project Debugger)より高速で、使いやすい環境を提供するという。

 プロジェクトチームは新しいデバッガを開発する背景について、プロジェクトの目標を達成するため、モダンなマルチスレッドプログラムへの対応、効果的なデバッグシンボル処理、プラグインによる機能や拡張などの特徴を備えた新しいアーキテクチャを持つデバッガが必要だったと説明している。GPLによる制約のないデバッガへのニーズも付記している。

 現在、対応プラットフォームはMac OS X(i386、x86-64)のみ。LLVM Licenseの下でコードを公開している。

LLVM Project
http://llvm.org/

LLDB Debugger
http://lldb.llvm.org/