HP、Phoenixのインスタント起動Linux OS技術を取得へ

 米Hewlett-Packard(HP)と米Phoenix Technologiesは6月10日(米国時間)、Phoenixが開発する簡易Linux OS「HyperSpace」などをHPが取得することで合意したと発表した。買収金額は約1200万ドル。HPはLinuxを強化し、Phoenixは主力事業のBIOSにフォーカスする。

 Phoenixが売却するのは同社のインスタント起動・クライアント仮想化事業で、HyperSpaceおよび「HyperCore」、「Phoenix Flip」の3つの技術資産となる。HyperSpaceは瞬時に起動してWebや電子メールなどのアプリケーションを利用できる簡易Linux OS。チップ側の仮想化機能を利用することで起動の高速化を行っているとのこと。Phoenixは同じくインスタント起動OSを開発する米DeviceVMと特許侵害訴訟で争っていたが、5月に和解を発表している。

 HPは4月、Linuxベースのモバイルプラットフォーム「webOS」を持つ米Palmを買収する計画を発表しており、PhoenixのHyperSpace取得によりwebOSなどLinux分野を強化する狙い。

 Phoenixは1月、主力事業であるBIOS市場にフォーカスする戦略を発表しており、すでに「FailSafe」などの資産も売却したという。

 取引は6月中に完了を見込む。

米Hewlett-Packard(HP)
http://www.hp.com/

米Phoenix Technologies
http://www.phoenix.com/