マルチタッチ対応のクロスプラットフォームUIライブラリ「PyMT 0.5」登場

 マルチタッチUIライブラリ「PyMT」の開発チームは8月14日、最新版となる「PyMT 0.5」をリリースした。Linuxでのマルチタッチのネイティブ対応や性能が強化されている。

 PyMTはPythonを用いてマルチタッチアプリケーション開発を行うためのライブラリ。Linux、Mac OS X、Windowsに対応、GNU LGPLの下で公開されている。マルチタッチデバイスのネイティブサポートやマルチタッチ対応ウィジェット、OpenGLを利用したハードウェアアクセラレーション対応の画面描画、迅速かつ簡単にアプリケーションを構築できるアーキテクチャなどを特徴とする。

 メジャーアップデートとなるPyMT 0.5では、WindowsやMac OS X向けにPyMTの利用に必要なライブラリやランタイムなどが1ファイルにパッケージされた「Portable Version」が提供されるようになった。これにより、PyMTのセットアップがより簡単になるという。

 また、バグ修正や多くの改良、新機能も加えられている。速度が要求される部分についてはCython(Cの関数呼び出しや変数宣言などを行えるように拡張されたPython言語。実装されたコードはCのコードに変換されてコンパイルされる)で実装することで、画面描画やウィジェットの作成、イベントディスパッチなどが大幅に高速化されたほか、レイアウトエンジンやscatterウィジェットなどがリライトされ、柔軟性や使い勝手が改善されている。また、Linuxカーネル2.6.32で実装されたマルチタッチカーネルイベントもサポートされた。

 ドキュメントも大きく改善され、多くのセクションでサンプルコードが追加されたほか、実行可能なコードをダウンロードできるようにもなっている。

 PyMT 0.5はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

PyMT
http://pymt.eu/

ダウンロード
http://pymt.eu/#download