Fedora 14リリース、デスクトップ仮想化「SPICE」を搭載

 米Red Hatが支援するThe Fedora Projectは11月2日(米国時間)、オープンソースのLinuxディストリビューション「Fedora 14」(開発コード名「Laughlin」)をリリースした。仮想デスクトップインフラ(VDI)の「SPICE」導入や「Rakudo Star」対応などが特徴となる。

 Fedora 14はLinuxカーネル2.6.35をベースとし、GNOME 2.32、KDE 4.5、X.Org Server 1.9などを含む。起動システム「Systemd」のプレビュー版も加わっている(デフォルトでは無効)。

 デスクトップ向けの新機能としては、デスクトップ仮想化向けのフレームワークSPICE(Simple Protocol for Independent Computing Environment)が加わった。同社が買収したQumranetの技術をベースとしたもので、仮想デスクトップにリモートからアクセスできる。現時点では2Dグラフィックス、暗号化、ハードウェアカーソルサポートなどの初歩的な土台を提供するという。また、JPEGライブラリ「libjpeg-turbo」の採用によりJPEG画像の処理が高速化されたほか、米Intelの「IPMI(Intelligent Platform Management Interface)」もサポートした。

 開発者向けでも、新たにプログラミング言語のDをサポートするなど、多数の新機能が加わった。「Perl 6」実装のRakuto Starに対応し、Pythonもバージョン2.7にアップデートした。メモリデバッグツールの導入、オープンなハードウェア組み込みボード「Milkymist」向けの開発が可能となった。ネットブックや小型端末向けとして、「MeeGo」フレームワークも実装した。

 システム管理者向けの機能としては、XenベースからKVMに仮想マシンを容易にマイグレーションできるvirt-v2v、仮想化関連パッケージの最新実装をテストできる「Virtualization Technology Preview Repository」などがある。

 最新版は同社のWebサイトから入手できる。プロジェクトは同日、「Amazon Elastic Computing Cloud(EC2)」ユーザー向けにも提供を開始している。

The Fedora Project
http://www.fedoraproject.org/

米Red Hat
http://www.redhat.com/