ASF、米OracleのTCKポリシーに不満を表明――「JCP EC脱会もありえる」

 非営利団体Apache Software Foundation(ASF)は11月9日、米OracleのJavaポリシーに反対する声明文を発表した。OracleはJava Specification Participation Agreement(JSPA)で果たすべき任務を怠っているしているとし、JCPのエグゼクティブ・コミッティ(EC)脱退も辞さないとしている。

 ASFの議論の焦点は、ASFのオープンソースのJava実装「Apache Harmony」とOracleのテストキット(TCK)ポリシーとなる。ApacheはJavaの開発を監督するJCP ECに席を持ち、今回再度批准された。いっぽうでASFはJSPAの下でJava SE用TCKをライセンスしてHarmonyをテストし、Apache Licenseの下で配布する権利があるにも関わらず、Oracleは追加の制約を設けてこれを妨げているという。これは、契約上の任務の侵害だとASFは主張している。

 ASFは、「Java仕様を実装する権利がJCP ECにより守られないのであれば、JCPとの関係を打ち切る」と脱会も辞さない決意を表明している。同時に、他のJCP ECメンバーに対し、次期版「Java SE 7」に関するOracleの提案に反投票を投じるよう呼びかけている。

 JCP ECのメンバーDoug Lea氏も先に、Oracleに不満を示して脱退している。一方で、米IBMはOracleのJava実装「OpenJDK」に協力するとして、Harmonyから距離を置く方針を示している。

Apache Software Foundation
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