Google ChromeのH.264サポートを廃止、ユーザーからは賛否両論

 米Googleは1月11日、自社Webブラウザ「Google Chrome」でサポートする動画フォーマットを変更する計画を発表した。今後、HTML5のvideoタグではWebMとTheoraの両技術をサポートし、H.264についてはサポートを終了するという。

 H.264はプロプライエタリ技術で、WebMとTheoraはロイヤリティフリーのオープンソース技術。中でもWebMはGoogleが2010年5月に発表したもので、米Adobe Systems、ノルウェーOpera Software、Mozillaなどが支持している。H.264をライセンスするMPEG LAは、無料で配信されるインターネット動画についてはロイヤリティフリーにすると発表している。

 Googleは現在、ChromeでH.264、WebM、Theoraをサポートしているが、今後はH.264のサポートを停止し、WebMとTheoraをサポートする。今回の方針変更についてGoogleは、「オープンなWebという原則に基づき開発・ライセンスされている技術に投資をフォーカスさせる」と説明している。変更は数カ月先としており、今後、オープンで高品質なコーデックのサポートを追加する可能性もあるという。

 HTML5のvideoタグについては、各ベンダーの思惑もあり合意に至らなかったため、仕様ではフォーマットに関する要件が白紙となっている。H.264はInternet ExplorerやSafariなどがサポートしており、WebMはMozilla、Opera、Chromeなどがサポートしている。

 一方、今回の方針変更を知らせるGoogleのブログ記事に対し、賛成や支持の声とともに、Flashサポートの事実からGoogleの方針の矛盾を突く声や、Androidではどうするのかなどの疑問が書き込まれている。

米Google
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