Ubuntu創始者のShuttleworth氏、Bansheeとの売上げ共有を巡る問題について謝罪と説明

 Ubuntu創始者のMark Shuttleworth氏は3月1日、Ubuntu 11.04で採用が決定しているオープンソースのメディアプレイヤー「Banshee」との売上げ共有の議論について、自身の見解を発表した。Shuttleworth氏は協議を進める方法を誤ったことなどに謝罪しつつ、Bansheeチームに対して共有分の売上げを受け取ることを望むと記している。

 Ubuntuの母体である英Canonicalは、4月公開予定の次期版「Ubuntu 11.04」で、デフォルトのメディアプレイヤーとしてBansheeを採用する決定を下している。Bansheeは米Novellの支援を受けるオープンソースプロジェクトで、音楽ストアでは米Amazonと提携し、ユーザーはAmazonの「Amazon MP3 Store」から楽曲を購入できる。Bansheeはこの売上げから得られる紹介報酬の100%をGNOME Foundationに寄贈している。

 CanonicalがBanshee採用を明らかにしたのは、2010年10月に開催した「Ubuntu Developer Summit(UDS)」でのことだ。その後、CanonicalがBansheeに対し、同社が運営する「UbuntuOne Music Store」をデフォルトのミュージックストアとするか、もしくはAmazon MP3 Storeをデフォルトにし、そこから得られる収益をCanonicalが75%、Bansheeが25%で分配することを提案していたことが明らかになり、コミュニティの間で議論が起こった。

 Bansheeは2月中旬、ブログでCanonicalからの提案があったことを明らかにしながら、収益の分配には応じずUbuntuOne Music Storeをデフォルトにする選択をする記した。その後Canonicalは提案内容を修正、UbuntuOne Music Storeをデフォルトのミュージックストアに設定した場合は収益の25%をGNOME Foundationに寄付するという方針を明らかにした。これはメディアプレーヤー「Rhythmbox」で採用されているのと同じ方針とのこと。

 Shuttleworth氏は1日付のブログで、今回の件について、Bansheeの採用を決定する前に自分たちの狙いについて明確にしておくべきだったとして、進め方がよくなかったことは間違いだったと認めた。一方で、CanonicalはUbuntuに投資しており、「Ubuntuで提供されるサービスから収益を得る方法を探っている。その収益を可能にした関連プロジェクトと収益を共有する」と説明している。また、Canonicalは十分にGNOME Foundationを支援しているとし、Bansheeチームに対し、得られた収益はBansheeの改善に役立てるべきだとも述べている。

英Canonical
http://canonical.com/

Mark Shuttleworth氏のブログ
http://www.markshuttleworth.com