組み込みLinuxのOpenEmbeddedとYocto Projectが連携、分断化防ぎ組み込みLinuxを推進

 非営利団体Linux Foundationは3月2日(米国時間)、傘下の作業グループ「Yocto Project」の新方針を発表、組み込みLinux向けビルドフレームワークのOpenEmbeddedと連携・協力していくとした。ガバナンスと中核技術を共有することで、組み込みLinux分野の分断化を防ぐ狙いだ。

 Yocto Projectは、ハードウェアアーキテクチャを問わず、カスタムLinuxシステムを構築するための技術提供を目指すプロジェクト。2010年10月、家電業界のLinuxコミュニティであるConsumer Electronics Linux Forum (CE Linux Forum)がLinux Foundationに合体した際に発足した。OpenEmeddedは2003年設立のコミュニティで、組み込み用Linuxディストリビューションのためのビルドフレームワークを構築している。クロスコンパイラ、高いカスタマイズ性などを特徴とする。

 Linux Foundationは今回、Yocto ProjectとOpenEmbeddedとの連携として、Yoctoの技術をOpenEmeddedにマージすることを発表した。ガバナンスも拡大し、OpenEmbeddedの代表者も含むようにする。中核となるLinuxコンポーネントとソフトウェアビルドの「レシピ」である「OpenEmbedded Core」を共有することで、組み込み分野のLinuxでの分断化を防ぎ、OpenEmbeddeのメソドロジーを組み込みLinuxのビルドシステムの標準にしていくという。

 2者の連携については、米Intel、米Mentor Graphics、米MontaVista Software、米Wind River、米Texas Instrumentsなどの企業が支持しているという。

Linux Foundation
http://linux-foundation.org/

OpenEmbedded
http://www.openembedded.org/