Mozillaが組み込みGeckoサポートを終了へ。CaminoはWebKitに切り替え?

 Mozillaの開発者は3月28日、Webレンダリングエンジン「Gecko」の組み込みについて、今後サポートを終了する方針を発表した。Geckoはオープンソースのレンダリングエンジンで、Mozillaが中心となってプロジェクトが進んでいる。

 MozillaのBenjamin Smedberg氏は28日、主力製品であるFirefoxを優先させること、バイナリ互換を維持する取り組みはコスト高であることなどの現状を説明し、組み込みGeckoサポート終了の方針を打ち出した。今後、gtkmozembed、javaxpcom、ActiveXコントロール、およびそれらがサポートするコードを削除する。Smedberg氏によると、2010年夏より組み込みでのGeckoのサポートの継続について議論があったという。Smedberg氏はまた、これらのプロジェクトのメンテナンスに興味を持っている人がいるとも記している。

 これを受け、Geckoを利用する「Camino」プロジェクトが今後の開発をどうするかの議論を始めている。CaminoはCocoa開発環境を利用するMac OS X向けのWebブラウザで、3月22日にバージョン2.0.7をリリースしている。

 Camino Projectによると、現在「Firefox 3.6」と同じGeckoを採用するバージョン2.1の開発を進めており、バージョン2.1については今回の新方針の影響はないという。だが、その後については、「将来は不明確」として、WebKitへのポーティングを含め可能性を探るとしている。Google GroupeのCamino Projectの開発者ディスカッションでは、数人の開発者がWebKitへの移行を支持している。

Mozilla Foundation
http://www.mozilla.com/

The Camino Project
http://caminobrowser.org/