米Facebook、データセンター効率化のためのオープンハードウェアプロジェクト立ち上げ

 米Facebookは4月8日、経済効率のよいデータセンターに関する情報を共有するオープンハードウェアプロジェクト「Open Compute Project」を立ち上げた。第一弾として自社データセンターの技術設計や仕様を公開、今後業界全体での取り組みに広げていきたいとしている。

 登録ユーザーが5億人に達したFacebookでは、ユーザー数の急増とデータセンターのスケーラビリティが大きな課題となっている。同社は2年前、エネルギー効率の良いコンピュータインフラを低コストで構築することを目標に、ソフトウェア、サーバー、データセンターを土台から設計・構築する作業に着手、オレゴン州プラインビルのデータセンターでこれらを実現した。

 同データセンターでは、電力ロスを最小化するために480ボルトの電圧を統一して利用する。中央の空調システムの代わりに外気を利用し、冬季はデータセンターからの暖気をオフィスの暖房に再利用する。このほか、効率化につながらないものを一切排除する対策により、ユニットあたりの消費電力は38%削減、コストは24%削減した。PUE(電力使用効率)は1.07を達成、これは米環境保護局(EPA)の業界平均1.5を大きく下回るという。

 今回、オープンソースモデルに倣って、同データセンターの技術を業界全体で共有するためにOpen Coumpute Projectを立ち上げた。Open Compute ProjectのWebサイトでは、サーバー、データセンター、電力効率の3つのセクションを用意し、仕様や設計などの情報やベストプラクティスの共有を図る。

 最初のステップとして、プラインビルのデータセンターで利用するマザーボード、電源供給、サーバーシャーシ、サーバーラックなどのハードウェアの機械設計と仕様を公開した。最終的には、データセンター効率化という共通のテーマについてディスカッションやコラボレーションを促進していきたい、としている。

米Facebook
http://www.facebook.com/

Open Compute Center
http://opencompute.org/