RHEL 5.6互換のCentOS 5.6リリース

 4月8日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)互換のLinuxディストリビューション「CentOS 5.6」がリリースされた。RHEL 5.6とのバイナリ互換性を持ち、無料で利用できる。対応アーキテクチャはi386およびx86_64。

 CentOSはRed Hatが公開しているRHELのソースコードをベースに、Red Hatの所有する商標やアートワークを除去して誰もが無料で利用・改変・再配布できるようにしたもの。RHELと100%のバイナリ互換性を持つことを目標としている。

 CentOS 5.6では、ベースとするRHELのバージョンが5.6にアップデートされた。多数のバグフィックスやアップデート、新機能などが含まれている。なお、注意点としてはCentOS 5.5以降ではx86_64版のインストールDVDが2枚に分割されており、そのままではOpenOffice.orgの追加言語パックをインストールできないという点が挙げられている。追加の言語パックが不要であれば、DVD #1のみでインストールが可能とのことだ。

 RHEL 5.6をベースとすることで、新たにPHP 5.3やDNSSECに対応したBIND 9.7などが利用可能となった。Ext4の完全なサポートやGCC 4.4など、RHEL 6で採用されている一部機能も追加されている。

 CentOSのインストールCD/DVDイメージはCentOSのWebサイトやミラーサイト、BitTorrentなどでダウンロードできる。また、CentOS 5.5系を利用しているユーザーはパッケージマネージャ「yum」を利用したアップデートも行える。

 なお、RHELはすでにバージョン6がリリースされているが、CentOS 6のリリースについては未定のようだ。

CentOS
http://centos.org/

リリースノート(日本語訳)
http://wiki.centos.org/Manuals/ReleaseNotes/CentOS5.6/Japanese