米Red Hat、Java仮想マシンで動く新言語「Project Ceylon」を明らかに

 米Red HatのJBossグループに勤務するGavin King氏は4月13日、社内で開発を進めているという新言語「Project Ceylon」について自身のブログで説明した。「Javaの限界」に対しRed Hatが応えたものとなるが、「Javaキラー」や「次世代Java」といったものではないという。

 Java用のORマッパーである「Hibernate」の主要開発者でもあるKing氏は、先に中国で開催された「InfoQ China」でProject Ceylonを明かした。その後、Slashdotなど一部の情報サイトなどがこれを「Javaキラー」などとして紹介したことを受け、King氏が自身のブログにて正式にCeylonについて説明することとなった。

 ブログ記事によると、Project Ceylonは「Javaではなく、Javaに深く影響を受けた新しい言語」だという。Java仮想マシン上で動き、静的型付け、自動メモリ管理やセーフリファレンスなどを特徴とする。Javaの読みやすさを維持しつつ、ユーザーインターフェースと構造化データ向けの宣言的シンタックスを提供するとのことだ。

 新しい言語を開発する理由についてKing氏は「Javaの限界を肌で感じている」、「Javaにフラストレーションを感じている」と述べ、Javaのユーザーインターフェイス定義やタイプセーフで階層的な文法による構造化データの定義などには技術面での大きな問題があると指摘。また、Java言語そのものではなく、Java SE SDKに含まれるレガシーなクラスライブラリも大きな問題だとし、優れたSDKを開発することがProject Ceylonの最優先課題だとも述べている。

 Project Ceylonは現在、仕様やANTLR文法、不完全な型チェッカーができているだけの段階で、バックエンドのバイトコード生成機の実装に向けた作業に着手したところという。スクラッチから書くのではなく、オープンソースライセンスで利用できるコードを多く利用するとも述べている。

米Red Hat
http://www.redhat.com/

Favin King氏によるブログ記事
http://in.relation.to/Bloggers/Ceylon