「MeeGo 1.2」がリリース、タブレット向け環境がプレビュー版として追加される

 組み込み向けLinux環境「MeeGo」の開発チームは5月19日、最新版「MeeGo 1.2」をリリースした。ネットブック向けおよび車載情報エンタテインメント(IVI)向けのUX(ユーザーエクスペリエンス)に加え、タブレット用UXもプレビューとして含む。

 MeeGoは、米IntelとフィンランドNokiaが設立したモバイルLinuxプラットフォーム開発プロジェクト。非営利団体Linux Foundationの支援も受けている。ネットブック、携帯電話、IVI、スマートTVなど、幅広いデバイスカテゴリ向けのプラットフォームを目指す。

 MeeGoは6カ月のリリースサイクルを持ち、バージョン1.2は、2010年10月末に公開されたバージョン1.1以来となり、4月にリリースを予定していた。

 中核の「Core OS」部分はLinuxカーネル2.6.37をベースとし、Intel AtomとARM v7に対応。Nokia QtのJavaScriptベースUI開発言語「QML(Qt Meta-Object Language)」ベースのアプリケーションフレームワークや、Qt Mobility APIなども含んでいる。また、テレフォニーと通信機能も強化され、GSM、GPRS、HSPA+の各無線通信方式のサポート、SIM Application Toolkit、Bluetoothプロファイルの強化などが加わった。このほか、X.org Server 1.9.0、Mesa 7.9.1、Gstreamer 0.10.32、Pulseaudio 0.9.22などが含まれる。

 MeeGo 1.2ではネットブック向けのUX「Netbook UX 1.2」とIVI向けの「IVI UX 1.2」に加え、タブレット向けの「Tablet UX」が初めて開発者プレビューとして加わった。いっぽう、1.1で公開されていた「Handset UX」は、1.2ではリリースされていない。Nokiaは2月、米Microsoftの「Windows Phone」を採用することを発表しており、それまでスマートフォン向けとして開発を進めていたMeeGoは実験的な位置づけと変更している。

 同時に、Core OSとUX向けの「MeeGo 1.2 SDK」も公開された。Qt Creator IDEとGUIビルダーを含み、Linux(Ubuntu 10.04とFedora 13)、Windows(Windows XPとWindows 7)に対応する。Macは2011年秋にサポートする予定という。

MeeGo
http://meego.com/