FSFが開発者向けライセンス選択ガイドを公開、GPL、AGPLなどに加えApache Licenseも評価

 フリーソフトウェアを推進する非営利団体Free Software Foundation(FSF)は5月25日、開発者向けのライセンス選択ガイド「How to choose a license for your own work」を公開した。これまでFSFが行ったアドバイスをまとめたものだが、Apache License 2.0への推奨が新たに加わっている。

 How to choose a license for your own workは、ライセンス選択にあたってFSFがWebページ、インタビュー、コメント、私的な電子メールなど、さまざまな場所で行った推奨をまとめたものとなる。

 ドキュメンテーションでは、「GNU Free Documentation License(FDL)」を推奨、ソフトウェアについては、最もコピーレフトなライセンスの利用を推奨する。具体的には、ライブラリには「GNU Lesser General Public License(LGPL)」を、サーバー上で動かす場合は「GNU Affero General Public License(AGPL)」を、それ以外の場合は、「GNU General Public License(GPL)」を薦めている。

 一方で、1)MP3と対立するOgg Vorbisのように、プロプライエタリな標準と対立する場合、2)規模が小さいプロジェクトの場合の2つのケースについては、「Apache License 2.0」を推薦している。

 FSFのライセンスではなく、コピーレフトでもないApache License 2.0の推奨は、これまでのアドバイスにはなかったものだ。FSFのBrett Smith氏はこれについて、ソフトウェア特許の存在を挙げ、Apache License 2.0の条項は「(開発者に対する)ソフトウェア特許の脅威を緩和できる」と述べている。

 Apache License 2.0はGPL v3やMozilla Public License 2.0は互換性があるが、GPL v2などとは互換性がない。Smith氏は、主要なコピーレフトライセンスは、最新版でApache License 2.0との互換性を持つようになると予想している。

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/

「How to choose a license for your own work」
http://www.gnu.org/licenses/license-recommendations.html