FSF、ゲーム分野はフリーソフトウェア化が進んでいないとして問題点を指摘

 フリーソフトウェアを推進するFree Software Foundation(FSF)が、ビデオゲーム分野におけるフリーソフトウェア化の遅れについて見解を示した。ゲームも他のソフトウェア分野同様にフリーソフトウェア化が可能だが、プロダクションのビジネスモデルを変更する必要があると問題点を指摘する。

 FSFのDanny Piccarillo氏は、ゲームはオフィスソフトウェアやWebブラウザといった他のソフトウェア分野と比較するとフリーソフトウェア関連の動きは少ないものの、フリーソフトウェアの浸透により将来的にゲームへの関心は高まると分析している。

 現在、フリーソフトウェアとしてのゲーム開発が活発ではない原因について、Piccarillo氏は「優先順位が低いから」と分析している。フリーソフトウェアはコンピュータの基本的な分野から進んでいるためとしながらも、「他のソフトウェアと同様、プロダクションのためのビジネスモデルが変わる必要がある」とも述べている。たとえば、ハードウェア企業が自社の性能を示すためにゲーム開発に出資する、学校が教育ゲーム開発を支援するなどのフリーソフトウェア奨励策が考えられるという。

 Piccarillo氏は関心が高まりつつある例として、2010年にローンチした「The Humble Indie Bundle」を紹介している。マルチプラットフォーム、DRMフリーのゲーム5本をバンドルしたもので、ユーザーは自分で値をつけて寄付先を選択できるというユニークな試みだ。総額120万ドルを売上げており、その後個々のゲームはフリーソフトウェアとしてリリースされている。

 別の例としては、キプロスWinch Gate PropertyがFSFと組み、2010年にMMORPG(多人数同時参加型ロールプレイングゲーム)の「Ryzom」をフリーソフトウェアとしてリリースしたことを紹介している。ライセンスはAGPL、アートワークはCreative CommonsのCC-BY-SAライセンスの下で公開した。サブスクリプションモデルを持つ同社は、フリーにすることで幅広いユーザーにリーチでき、ゲームの改善に興味のある開発者から貢献を得られているという。

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/