EmacsでGPL違反が発覚、Stallman氏曰く「悪い間違いを犯した」

 Free Software Foundationの創始者であり、テキストエディタEmacsの主要開発者でもあったRichard Stallman氏は7月28日、Emacsが2009年よりGPL違反状態にあったことを認めた。Stallman氏は間違いを認めるとともに、該当箇所を削除する、またはソースを追加するか、2つの対策を提示している。

 この問題はEmacs向けの統合開発環境(IDE)「Collection of Emacs Development Environment Tools(CEDET)」を導入するプロセスで生じたもので、「バイナリブロブ」を含んでいたという。GNUのメーリングリストによると、関連するのは言語のシンタックスを解析するパーサーで、パーサーを生成するジェネレータおよび生成するbison文法が配布されていないという。問題のバイナリは2009年9月にEmacs trunkにマージされ、2009年12月に公開した23.1.90より存在するとのこと。Emacsの最新版は2011年3月にリリースした23.2となる。

 Stallman氏は、該当するリリースを再配布した人も意図せずしてGPL違反となってしまったことも付記し、「とても悪い間違いを犯した」としている。該当箇所を削除するか、ソースを追加するか、どちらかの対応があるとしている。

 EmacsはStallman氏が開始したプロジェクトだが、Stallman氏は2008年にメンテナンスを別の開発者に譲っている。

GNU Emacs
http://www.gnu.org/software/emacs/